「コース丸ごと箱詰め」で顧客増。
『ミチノ・ル・トゥールビヨン』の
「蘇ボックス」

「コース丸ごと箱詰め」で顧客増。 『ミチノ・ル・トゥールビヨン』の 「蘇ボックス」

関西フレンチ界の巨匠―『ミチノ・ル・トゥールビヨン』オーナーシェフ・道野正さん。独立して31年になる。その間、山あり谷ありを経験してきた道野シェフにとっても、コロナ禍は未曾有の出来事だった。

4月の予約がまったく入らない。「数日間、途方に暮れ、ひたすら考えた」。たどり着いたのは、「客が来れないなら、こちらが歩み寄ればいい」という結論。そうして生まれたのが、コース6品丸ごと箱詰め! 名付けて「みんなできっと蘇ろう!」との想いを込めた『蘇ボックスvol.1』だ。

「これなら毎月買えると思ってもらえる値段設定に」と、前菜からデザートまで6品2人前7600円~。パッケージは簡素に、その分、中身は普段店で使う食材で、手間暇も惜しまず仕込んだ。それは、湯煎するだけで、驚くほどの美味しさで、レストラン・クオリティーが再現できると大好評を博した。とっておきの皿に盛り付けて、家でレストランごっこに興じる様をSNSにアップする購入客も多かったという。また記念日に、離れて暮らす親に贈りたい―とリピート率も高く、4月20日の発売開始から6月第1週までに300セットが売れた。

勢いに乗り、6月20日より始動した『蘇ボックスvol.2』。「vol.1は短期決戦のつもりで、困難に立ち向かうためのエネルギーになる料理を」と、肉類が中心の構成だった。「でも、事態はなかなか終息しそうにない。vol.2は、ウィズコロナで不安な中、外出している日々に、家でホッとしてもらえるよう和めるメニューにしました」。野菜や魚介類を多用した身体に優しいフルコースだ。
「レストランに行きにくい小さな子どもの居るご家庭や高齢者、また全国に送れるから遠方の人にも楽しんでもらえる。9月にもやってますか?という有り難い問合せも多いし、メールで喜びの声をもらえるし。これはなかなかエエなと思ってる」と喜ぶ道野シェフ。


「蘇ボックス2」。ヴィシソワーズ、アジのエスカベッシュ、本日の鮮魚(イサキ)ポルトガル風、牛肉の黒ビール煮込み、ケークサレ、アイアシェッケ、野菜のガルニチュール。1セット(2人前)8200円(税、送料別)

悩みといえば、仕込みに手間が掛かること。しかし、これもホテルが休業したままで仕事がない元スタッフに手伝ってもらって解決した。バイト代も払えるほどに利益が出ているということだ。「安く設定し過ぎて、もの凄く儲かってるというほどではないけどね。バランスを取りつつ、みんなが助かる方法を選びたい。自分だけが助かったらいいとだけは考えたらアカンからな」。
非常事態宣言は解除されたとはいえ、まだランチ需要はこれまでのようには見込めない。その分の売上げ補填のためにも、また、契約農家のためにも、メニューを月替わりにして、ウィズコロナの間は、『蘇ボックス』を続けて行きたい考えだ。(文/団田芳子)


自分なりに盛り付けを考えるのも楽しい。「今日は俺がシェフになる!」とお父さんが活躍する家庭も。SNSでそんな投稿があると勇気づけられると道野シェフ

店舗情報

【住所】大阪市福島区福島6-9-11 神林堂ビル1F
【電話番号】06-6451-6566
https://www.michino.com/

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『ミチノ・ル・トゥールビヨン』の
「蘇ボックス」

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