テイクアウト&取り寄せに
業態転換!
京都『洋食イノツチ』の挑戦

テイクアウト&取り寄せに業態転換!京都『洋食イノツチ』の挑戦

2015年、京都・東山二条にオープンした『洋食イノツチ』。昼はボリュームある定食の食堂、夜はアラカルトで飲ませるワイン酒場として連日賑わっていた。が、L字カウンターを配した4.6坪のマイクロ店は、コロナの影響をもろに受ける。「うちは典型的な"3密"。今までの営業を続けていくのは厳しいと感じました」と店主の井上正大さん。緊急事態宣言の発令を受けてからの切り替えは早かった。準備のため一日店を閉め、その翌日には『弁当屋イノツチ』をスタートする。

聞けば、もともと将来的に店を移転拡張し、テイクアウトを強化しようと考えていた井上さん。思いがけない事態で移転までは叶わなかったが、「時期が少し早まっただけ」と前向きに考えた。

ハンバーグやエビフライ、オードブルのセットなどメニュー豊富で売り上げも順調だったが、他店の多くで店内飲食が再開されるようになると流れが変わり、7月に入る頃にはやや停滞。次の一手として、デザートで好評だったプリンの販売を決めた。早速、「菓子製造業」の免許を申請。瓶入りで見た目可愛らしく、持ち運びもしやすいよう考慮。手土産にも向くプリンは、商品をいくつも並べて撮影したインスタグラム投稿の反響もあり、コンスタントに1日20個が完売する人気商品となった。


プリン1個390円。何度も裏ごしして湯煎焼きしたなめらかな食感、リッチな味わいで新規ファンを増やしている。

もう一つ、新たに取得したのが「そうざい製造業」の免許。製造した食品を卸売・通販で販売する際に必要な資格だ。「なかなか店へ足を運べない人にも『イノツチ』の味を届けたくて、ネットショップを準備中です」。その第一弾として作った商品が、やはり以前から人気の高かったドレッシング。野菜がふんだんに使われ、サラダはもちろん肉料理や魚料理にも合う。「やるからにはカッコいいものを」と、気心の知れたデザイナーと共にオリジナルのラベルを制作した。


「小さな洋食屋のたっぷり野菜ドレッシング」各800円。リンゴと人参(右)、生ショウガ(左)。


そうざい製造業の許可を得るため、7月にキッチンを改装。シンクや作業台、棚を増設した。カウンターの端をカットし、冷蔵ショーケースも設置。費用はざっと50万円ほどかかったが、「前に進むために必要な投資」と割り切った。

まだ手探りの部分もあり、原価率の高さを課題としながらも「新しいチャレンジはワクワクするし、身体が自然と動きます」と意気込む井上さんの目に迷いはない。要冷蔵でデリケートなプリンは持ち帰りのみとし、ネットショップでは木の実のクッキーなど焼き菓子を主軸にするべく、目下試作の日々だそう。「小さな洋食屋」が挑む、6年目の大改革から目が離せない。(撮影・文/本庄 彩)

店舗情報

【住所】京都市左京区聖護院蓮華蔵町31
【電話番号】075-751-6000
https://www.instagram.com/inotsuchi_yo_shoku

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