テイクアウトから生まれた新名物
『おおさか料理 淺井東迎』の
割烹ならではの「彩いなり御膳」

テイクアウトから生まれた新名物 『おおさか料理 淺井東迎』の 割烹ならではの「彩いなり御膳」


いなり寿司(9月の彩いなり御膳2200円より)。左から、うなぎと三つ葉、鮭とイクラ、鱧と生ウニ・紫蘇掛け、大根漬物。油揚げはジューシーで、でも濃すぎない味わい。

法善寺横丁『浪速割烹 㐂川』の流れを汲む『淺井東迎』。厨房では、店主・東迎高清さんの下、白衣の男達がズラリと居並び、キビキビと働く。現在、従業員は12名。その人件費に加え、ミナミの一等地で3階建ての一棟借りだから家賃も相当なはず。「家賃補助が受けられたので何とか」と、東迎さんは穏やかに語るが、コロナ禍の情勢は厳しい。「3月からいきなり客足がガクンと落ちました」。緊急事態宣言、さらに8月には、ミナミエリアのみ営業時間の短縮要請も発令された。
そんな中、「従業員もみんなで考えて」。鱧しゃぶセットの全国発送(1人前1万円、税・送料込み)や、自家製ポン酢や山椒じゃこなどのギフト商品、水曜日限定ランチ釜飯御膳(3500円)など、アイデアを次々繰り出している。そんなあれこれを、娘の明奈さんがチラシに仕立て、「8月は20時に営業を終えた後、従業員がみんなで近所にポスティングに行ってくれました」。


娘の明奈さんがチラシのデザインを担当。ポスティングはみんなで手分けして頑張った。

鱧しゃぶセットはGWのみで100食ほど出たし、4月から始めたテイクアウトの特製弁当が好評を博した。翠3780円、華5400円の2種で、8月末までに、それぞれ109個、327個を販売。贅沢なおかずが多彩に詰められ、お得感があるためだろう、リピート率が高く、同じ客にはおかずを変えるなどきめ細かい対応も喜ばれた。それに満足せず、もっと喜んでもらうために、「おかずだけでなくご飯も変えればインパクトが強いかな」と、うなぎご飯とじゃこご飯の2種を入れていたのを、いなり寿司に変更。これが大人気を獲得。「次もお稲荷さんを」とリクエストが多数来た。


4月から提供をスタートした特製弁当、いなりバージョン(華5400円)。

というのも、食べれば納得。具が豪華で、しかもシャリの味も具に合わせて変えてある。鰻と三つ葉は、シャリに甘く炊いた椎茸を細かく切って混ぜている。鮭とイクラはそのまま酢飯で。ハモと生ウニに紫蘇をかけた具には叩き木の芽を、ローストビーフが載ったのは生姜入り、自家製大根の漬物を載せたいなり寿司のシャリは大根葉の漬物を混ぜてといった具合。まさに、割烹の面目躍如たるいなり寿司なのだ。
8月からは、このいなり寿司をメインにした「彩いなり御膳」(2200円)を新たにランチに。枡形に入れた特製弁当のおかずを、3種小鉢や造りに代え、お味噌汁と、定番のわらび餅のデザート付き。華やかな御膳が運ばれてくると歓声が上がるほど。一つ一つの味わいの完成度は夜の常連客も納得の出来映えだ。
これまで昼は3500円以上のメニューをと決めていたので、「正直、抵抗がありました」と東迎さん。「これが主流になったらどうしようと不安も感じていますが、今は、新しいお客様に知ってもらうこと、店に入ってもらうことが一番大事」と腹をくくった。手分けしてポスティングしたチラシの効果で、「今まで入ってみたかったんだけど。この値段なら」と新規客も獲得し始めている。
コロナ禍で急遽始めた特製弁当のテイクアウト。その中の「いなり」が人気を博し、誕生した「彩いなり御膳」。8月限定のつもりだったが、9月にも秋バージョンに衣替えして継続。「喜んでもらえたら、今後に繋がる」と期待する。
(文/団田芳子)


9月の彩いなり御膳2200円。小鉢3種(穴子とオランダナスの柚子味噌掛け、ゲソの南蛮漬け、ゴーヤとパプリカのジュレ掛け、イチジクと舞茸の白和え・栗のソース。自然薯の饅頭・木の芽あん掛け、豆腐のトマトサラダ、お味噌汁、長命草のわらび餅、いなり寿司4種、お造り(シマアジ葱巻、マグロバジル酢味噌、剣先イカのそうめん)またはローストビーフ(炭塩、粒辛子、イクラ載せ)。

店舗情報

【住所】大阪市中央区心斎橋筋2-2-30 境ビル1~3階
【電話番号】06-6213-2331
https://asaitogei.com/

テイクアウトから生まれた新名物
『おおさか料理 淺井東迎』の
割烹ならではの「彩いなり御膳」

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テイクアウトから生まれた新名物 『おおさか料理 淺井東迎』の 割烹ならではの「彩いなり御膳」

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