京都の『ドラッグひかり』
地元人気店と手を繋いだ
惣菜販売で集客アップ!

京都の『ドラッグひかり』地元人気店と手を繋いだ惣菜販売で集客アップ!

一見普通のドラッグストアの入口に"弁当販売中"の看板が堂々と。思わずつられて中に入ってチラシを見れば、どうやら曜日別に内容が異なり、精肉・焼肉店『京のお肉処 弘』、洋食の老舗『キャピタル東洋亭本店』、土井志ば漬け本舗が営む『竈炊き立てごはん土井』など京都の人気店が名を連ねている。一体いつの間に こんな面白いことを...。

「コロナ禍の中で困窮する飲食店を何かお手伝いできることはないかと始めて、もう半年近くが経ちますね」。そう語るのは、この弁当の仕掛け人で京都のローカルチェーン『ドラッグひかり』の副社長を務める尾池勇紀さん。元々"京都の暮らしに特化した、毎日の楽しみがあるお店"がスローガン。京都市内に17店舗のドラッグストアを経営すること60数年の地元密着型店は、医薬品だけでなく、日用品や菓子などを広く扱っていたため「精肉以外の食品販売免許は、菓子も惣菜もひと通り持っていたんです。そもそも、ドラッグストアはお客様の健康をサポートする場所。食品関係にもっと力を入れたいと思っていたところでした」。インバウンド需要に伴って激増した大手ドラッグチェーンとの差別化を図る策でもあると、意外な取組の動機を明かす。

弁当販売の経験がない中、店選びで大切にしたのは京都市内に店を構えていることと、"味"。尾池さん自身が実際に試食して、ここだと思う店から声をかけ始めた。最初の一軒目は、市内に何軒も店を構える『京のお肉処 弘』だった。
「こちらはデパートや商業施設にも総菜店を出店する大ベテラン。最初はファンが多く、弁当販売に慣れたお店にお願いするのが、安心かなという考えもありましたね」。
その狙いは見事的中。5月5日から火・金曜限定で販売する『京のお肉処 弘』の弁当は、今も1日120~150食がコンスタントに売れているという。


『京のお肉処 弘』の焼肉弁当(ハーフ)580円(税込)は、ハーフサイズでもボリュームたっぷり。販売開始から1~2時間で売り切れる人気。

実績を得たことで、飲食店への依頼もしやすくなった。そこから約1カ月1軒ペースで協力店を増やし、7月末には飲食店4軒の弁当を曜日替わりで販売するまでに。合計で1週間平均、約300食を売り上げているそうだ。

一見多店舗展開する有名店ばかりと思いきや、個人店にも目を向けたのもポイント。毎週月曜限定で炭焼重を販売する『炭焼ひさどり』は、市内に1軒だけの小さな店。コロナ禍でやむなく始めた弁当を食べた尾池さんが「これは旨い!」と惚れ込み、慣れない弁当販売に不安がないよう保健所への相談まで手厚くサポートとして販売にこぎつけたというから、その熱意は本物だ。


力作揃いの手書きチラシも、売り上げを後押しする重要アイテム。「デジタルでキレイに作ったものより手に取ってもらう率は高く、捨てられる率は低い」と尾池さん。チラシ作りは絵や文章が得意な社員が随時担当している。

さらに弁当だけでなく、冷凍餃子の販売でも成功。以前から目を付けていた東山『マルシン飯店』の快諾を得て販売した生餃子は、初速1カ月で500箱が売れたというから凄い。
「弁当という新たな来店目的を得たことで、今までとは違う購買層が獲得できて、常連さんの来店頻度も増えた。飲食店の売上にも貢献できて、お互い嬉しいことだらけです」と尾池さんは確かな手ごたえを感じている。


『マルシン飯店』の冷凍餃子は1箱20個入り1280円(税込)。多数ある商品の中で視線を引き付けるよう、ポップも工夫している。

しかし、そんな絶好調の最中でも、暑さ厳しい8月中旬から9月下旬までは、夏場の販売に慣れた『京のお肉処 弘』以外は「食中毒を出してしまった時のリスクやデメリットの方が大きい」と弁当販売を一時中止に。目先の利益にとらわれないクールな判断をしつつ、生まれた空き時間に他店への声掛けを進めているというから、実に商魂逞しい。


「興味がある京都市内の飲食店の方からの売り込みもお待ちしています!」と副社長の尾池勇紀さん。マージンは取っているが、飲食店側のリスクを案じ、弁当はすべて買い切っている。

努力の甲斐あって、10月2日からは紫竹の超人気ラーメン店『らぁ麺 とうひち』の冷凍ラーメンの販売を市内9店舗で開始、さらに10月15日からは年々人気を増す『ぎょうざ処 亮昌(すけまさ)』の冷凍餃子も販売を始める。
コロナ禍の中で生まれたドラッグストアの新しいカタチは、まだまだグングン成長していきそうだ。(撮影・文/川島美保)

店舗情報

【本社住所】京都市上京区新町通今出川上ル
【電話番号】075-415-2300(代)
http://www.drug-hikari.co.jp/

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