京都のオステリア『バスティーユ』
小さな積み重ねで
テイクアウトが売上を大きくフォロー!

京都のオステリア『バスティーユ』 小さな積み重ねで テイクアウトが売上を大きくフォロー!

「特別なことは、何もしていないんですよ」とオーナーシェフの山本 知(さとる)さん。緊急事態宣言を受けた各飲食店が、コロナ対策の一環として始めたのがテイクアウト。あの激動の春から約半年...まだまだ客足が戻らない状況で売り上げに伸び悩む店が多い中、そのテイクアウトが、今では売上を大きく支える存在になっているという。その秘訣は一体何なのか。その答えが、冒頭の一言。そしてそれは、聞けば聞くほど、真実だとわかる。

「そもそも、ウチは密になりやすい小さな店。だからこそ、イートインより伸びしろが見えるテイクアウトに力を入れることが重要だと、思い切りました」と山本シェフ。テイクアウトを始めるにあたって、まず店内奥のテーブル席を1卓潰した。惣菜専用の冷蔵庫やテイクアウトの包材を置くスペースの確保のため。そしてそうざい製造業の許可をスムーズに取るためだ。

包材選びも丁寧に行った。色味は店の落ち着いた雰囲気に似合う黒で統一。ディナータイムの名物でもある前菜盛合せはきちんと間仕切りの付いた専用容器を、パスタやメインを盛る器は、やや厚手で高級感のあるものを。多少コストがかかっても容器にこだわるのには理由がある。「料理の印象が器ひとつで変わるのは、テイクアウトも同じ。コストをかける価値があると思っています」。



マットな黒い容器を使用する『特製イカスミパスタ』は2000円(税込)。テイクアウト・デリバリー・UberEatsどれでも同料金で提供している。

さらに、イートインでもテイクアウトでも、料理のボリュームは同じ。それでいて価格の上乗せはしない。「店頭でのサービスがない分と考えています。それよりも店と同じ味を楽しめるとお客様に思っていただくことを大切にしています」と山本シェフ。手数料が取られるUber Eatsを介した注文の場合も同じ。利益が減る分、通常よりボリュームを抑えて利益を確保する策もあるが、それはしない。それどころか、手書きのメッセージを添え、サービスの小菓子まで添えている。
「少しでも印象に残ってまた注文いただければ嬉しいな。という気持ちで手の空いた時間に書いています」。このちょっとした気遣いもあってか、テイクアウトはかなり高いリピーター率をキープしていて、なかには半年で40回の注文を超えるお得意様もいるという。



日替わり弁当1000円(Uber Eatsの場合は1200円。各税込)はなかなかのボリューム感。この日はキャロットラぺ、自家製のテット・ド・フロマージュやローストポーク、カンパチのソテーなど。パンか雑穀米かは選択可。



テイクアウトに添えている小菓子と付箋に書いたメッセージ。初めてとリピーターでは内容を変えている。

徹底した顧客管理や予約システムもリピーターを逃さない理由だ。食べログや一休.comの導入に加え、8月からはグルメアプリ「TableCheck」を予約管理に使用開始。店のホームページからテイクアウトの注文もできるようにしている。「TableCheckは使い始めてまだ数カ月ですが、他サイトの予約を一括で把握できるのが利点。顧客データの分析や統計もできてかなり参考になります」。

もちろん、料理のクオリティー維持のためのさりげない工夫も忘れない。パスタならテイクアウトメニューは冷めても美味しいカサレッチェなどのショートパスタやフェットチーネのような太麺をチョイス。同じ種類でもテイクアウト用は通常より数㎜太めの麺を使い、硬めにボイルして微調整する。また、パスタの場合は注文時に自宅で麺を茹でて仕上げるか、多少のびても調理済みが良いかをヒアリングして、なるべく要望に近い形でのテイクアウトを心掛けている。



テイクアウトのお客様に向けて、入口に呼び出しボタンを置いているのもさりげないサービス。

そしてもうひとつ、テイクアウトの後押しをしているのがMKタクシーの宅配サービス"タク配"。飲食店応援キャンペーンとして5月から実施されているもので、なんと京都市内(一部除く)どこでも一律550円でMKタクシーがデリバリーしてくれるというもの。
消費者負担なので、飲食店への負担は一切なし。「交通費と移動時間を考えたら、かえって安いとかなり好評。登録料もかからないので、活用すべきサービスだと思います!」。

けして大々的な改革をしている訳でも、奇抜な提案をしている訳でもない。ひとつひとつの事柄に堅実に向き合って、出来る限りのことをしているだけ。その結果、テイクアウトの売上は順調に伸び続け、日替わり弁当は毎日20~30個が安定して売れるように。ディナータイムの注文も増えつつあり、席数を減らしたにも関わらず以前同様の忙しさをキープできているという。
たくさんの地道な努力が、見事に実を結んだ素敵な成功例だ。
(撮影・文/川島美保)

店舗情報
オステリア バスティーユ
【住所】京都市中京区烏丸蛸薬師東入ル一蓮社町310メゾン高見1F
【電話番号】075-222-0788
https://bastille.jp/

MKタクシーのタク配については
https://www.mk-group.co.jp/takuhai/

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