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【レシピ付き】肉料理の逸品 Vol.3 京都『お料理とのみごろのお酒 両川』

「仕上げ方次第で、冷菜にも温菜にも、つまみにも締めにも使える。ウチみたいなアラカルト形式の店では、スピーディーな提供といかにアレンジが利くかが重要です」と語るのは、京都の上等居酒屋『お料理とのみごろのお酒 両川』店主の大野彰人さん。
今回提案いただいたのは、いかにも食欲をそそる豚肩ロースの網焼きです。スタンダードな料理に見えて、漬け込みダレに意外な工夫が。仕込みや提供する際の作業効率まで考慮されている点もお見逃しなく。

文:川島美保 / 撮影:竹中稔彦

京都・押小路室町『お料理とのみごろのお酒 両川』大野彰人さん作 
漬け込み豚肩ロースの網焼き 山椒香味ダレ

京都の烏丸御池から徒歩数分、ビジネス街に位置するカウンターメインの居酒屋は全14席のみ。「端まで目の届く小さな店だからこそできる、細やかな対応を大切にしています」と店主の大野さん。肉料理においても、お客様の状況やニーズに合わせて“現場で”応用が利くところが大きなポイントだと話す。

加えて「ある程度作り置けることも重要。ですから豚肩ロースをタレに漬け込むレシピを考えました」。

ピーマンの香味を隠し味に

豚肩ロースを漬け込むタレは、醤油・酒・みりんを煮詰めたものがベース。「煮詰めることで味が深まるだけでなく、保存性がアップ。これに何を加えるかでも色々遊べますよ」。砂糖を使わないのは、「舌に残る甘みが日本酒に合わないから。みりんはできれば熟成したものを選ぶと品の良い味になります」。大野さんが使っているのは10年熟成の本みりんだ。

このベースを赤ワインでのばして果実感をほんのり忍ばせ、甜麺醤(テンメンジャン)でコクと甘みをプラス。赤ワインの個性はかえって邪魔になるので、味わい軽めの安価な品で充分。ここにすり潰したピーマンを加えるという発想が面白い。「玉ネギのすり下ろしを入れるような感覚ですね。独特の青みがいいアクセントになるんですよ」。

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