和食を科学する料・理・理・科

小豆の色を残す渋切りの方法とは?

小豆を戻すには、渋切りが必要。一晩かけて浸水したり、何度か下茹でしたりと、その方法は様々ですが、目的は小豆が持つ渋みやえぐ味を除くこと。浸水しても、下茹でしても、その汁を捨てるというのが定石ですが、「そうすると小豆の色素が半減して赤飯が色よく炊けない。戻し汁に色素を残すような渋切りの方法はないのか?」と疑問を持ったのが、『祇園 いわさ起』店主・岩﨑道一(みちかず)さん。そこで、「和食を科学する 料理理科」第2回目のテーマは、小豆の渋切り。岩﨑さんの実験を、農学博士の川崎寛也先生が検証します。

文:中本由美子 / 撮影:香西ジュン
岩﨑道一さん(京都『祇園 いわさ起』店主)

1964年、福岡・久留米市生まれ。辻調理師専門学校を卒業後、神戸のホテルや大阪の割烹で修業し、京都『建仁寺 丸山』にて料理長を務めた後、独立。2014年、祇園に店を構えた。“シャンパンに合う京料理”をテーマに、華やかに酒肴を盛り込んだ八寸や柑橘の薬味で勧めるお造りなどを供す。

川崎寛也さん(農学博士)

1975年、兵庫県生まれ。京都大学大学院農学研究科にて伏木亨教授に師事し、「おいしさの科学」を研究。「味の素㈱」食品研究所上席研究員であり、「日本料理アカデミー」理事。「関西食文化研究会」での基調講演でも活躍している。専門は、調理科学、食品科学など。

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