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【レシピ付き】温まる一品目 Vol.2 京都『高台寺 十牛庵』の「カブのすり流し 熟成肉・鮒ずしと」

鮒ずしの飯(いい)が醸し出す米由来の甘みと乳酸発酵感が蠱惑的。京都・東山『高台寺 十牛庵』料理長の高増伸哉さんが考えた“温まる先付”は、何とも独創的な取り合わせのカブのすり流しです。分厚い旨みの秘密は、熟成牛肉を端まで活用した特製コンソメ。食材への敬意と愛情に満ちた、食べ手の心まで温めてくれるレシピです。

文:川島美保 / 撮影:竹中稔彦

目次


京都・東山『高台寺 十牛庵』料理長・高増伸哉さん作
カブのすり流し 熟成肉・鮒ずしと

飛び切りの食材を求めて全国を飛び回っている『高台寺 十牛庵』料理長の高増伸哉さん。数ある中から今回主役に選んだ食材は、京都『石割農園』から届く瑞々しいカブ。寒さが日に日に増していくこれからが旬だ。「京都の冬、温まる料理と言えば思い浮かぶのはかぶら蒸しでしょう。けれど、それでは僕らしさがないので」と高増さん。今回はカブを斬新な食材との取り合わせですり流しに仕立てる。

熟成肉の端肉をだしに

まず、カブをのばす“だし”からして個性的。熟成肉の端肉で取っただしを使うという。「熟成肉は滋賀『サカエヤ』から仕入れている「北のあかうし」のリブロースを愛用しています。経産牛ならではの見事な赤身と深い旨みがある抜群の食材です。この端肉も無駄にしたくなくて、香味野菜と共に2日間かけて炊いてだしを取りました」。

牛肉の油脂分で自然とゼリー状に冷え固まるほどに濃厚な琥珀色のジュレは、言うなれば特上のコンソメ。肉の風味を生かすために、調味料は肉を焼く際の振り塩のみに留める。

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