【レシピ付き】上巳(桃)の節句を祝う料理 vol.2東京『おかもと』の「桃の節句の茶碗蒸し 蛤のスープ仕立て」
東京・虎ノ門の一角にある『おかもと』は、京都『和久傳(わくでん)』や東京の有名割烹などで料理長を歴任した岡本英嗣さんの店。日本料理の本質と向き合いながら、季節の移ろいを大切に、素材の持ち味を損なわない丁寧な仕事でお客様を魅了しています。おまかせコースの合間に供される“からすみ蕎麦”をはじめ、季節の“花山椒鍋”といった名物料理にも、確かな技術と卓越した感性が散りばめられています。今回、桃の節句に合わせて考えてくれたのは「桃の節句の茶碗蒸し 蛤のスープ仕立て」。春菜の香りと苦味、茶碗蒸しとハマグリの旨みが渾然一体となった温かなスープ仕立てに、心身が緩む春の一品です。
東京・虎ノ門『おかもと』岡本英嗣さん作
桃の節句の茶碗蒸し 蛤のスープ仕立て
茶碗蒸しに忍ばせたのは、香ばしく炙ったフグの白子や食感のいいフキに百合根。上に五色あられ衣で彩りよく揚げたハマグリをのせてスープを張った、いわば“大人の雛料理”。日本の節句料理を、あえて洋食器のロイヤルコペンハーゲンのアンティークに盛り込む、その器づかいも見事だ。
「食材で季節を感じていただきたいので、普段は節句料理などはあまり作らないのですが、今回は雛祭りにふさわしいハマグリを自分らしい食べ応えのある料理に落とし込みました」と岡本さん。仕上げに散らしたフキノトウの苦味もまた、春の香りを添えるご馳走である。
フキと百合根は香りと食感を活かすため、生のまま使う

茶碗蒸しに忍ばせるフキと百合根は、下処理をして生のまま刻む。「茹でてしまうと、どうしても香りが抜けてしまいます。歯ごたえのいい食感と香り、美しい翡翠色を生かすため、あえて生のまま加えます」。バーナーで炙ったフグの白子と共に器に盛り、玉地を流して蒸し上げる。
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