特集

鱧料理の人気レシピ

7月、関西でよく食べられる鱧。別名「鱧祭」と呼ばれる京都の祇園祭、大阪の天神祭など、夏祭りのご馳走として愛されてきました。料理屋においても欠かせない食材で、これまで「WA・TO・BI」では各店が創意あるレシピを披露。今回は、中でも人気が高かったものをピックアップしました。食材の組合せや仕立てなど、ぜひご参考ください。

文:阪口 香 / 撮影:東谷幸一

目次


鱧のオリーブ素麺——京都『祇園もりわき』

京都『祇園もりわき』の鱧のオリーブ素麺撮影:竹中稔彦

鱧だしに蕎麦のかえし、ハチミツ、EVオリーブ油などを加えたつゆでいただく、目新しさが好評の一品。油分が加わったコクあるだしに負けぬよう、具の鱧は焼き霜にしてから酒煮にし、存在感を強調。スムーズな口当たりを助長するオクラのペースト、酸味あるトマトを添える。つゆに絡めてからおか上げすると丸1日置いても麺がくっつかず、のびないという利点も。

▼鱧のオリーブ素麺のレシピの詳細はコチラ

梅じそ風味の鱧洗い——大阪『日本料理 楽心』

大阪『日本料理 楽心』の梅じそ風味の鱧洗い撮影:東谷幸一

鱧の香り、旨みを保持するため真空状態で皮霜にした後、1㎜幅のそぎ造りに。水、ハチミツ、梅酢を加えた氷水で洗いにすると、皮はコリッ、身はプルンとした食感。ほんのり甘酸っぱい風味で夏向きの造りとなる。塩やスダチ、ワサビを添えて。

▼梅じそ風味の鱧洗いのレシピの詳細はコチラ

鱧の卵のゼリー寄せ——大阪『燗の美穂』

大阪『燗の美穂』の鱧の卵のゼリー寄せ撮影:竹中稔彦

直火で焼いた鱧の骨とトウモロコシの芯、昆布を煮出してだしを取り、ゼラチンで固めるゼリー寄せ。具には鱧の卵や浮き袋も使い、新ショウガにトウモロコシやオクラといった夏野菜も。それぞれが層になり、見た目にも涼し気。口に含むとトウモロコシの甘やかな香りに続き、鱧だしの澄んだ旨み。プチプチッとした卵の食感や浮き袋のクニュッと感も楽しい。

▼鱧の卵のゼリー寄せのレシピの詳細はコチラ

鱧のチーズ豆腐 カラスミ添え——大阪『浪速割烹 和亨』

大阪『浪速割烹 和亨』の鱧のチーズ豆腐 カラスミ添え撮影:福本 旭

余りがちな鱧の尾の身を活用した酒肴。水切りした絹ごし豆腐とクリームチーズを1:2の量で合わせ、ゼラチンを加えて冷やし固めてチーズ豆腐を作り、油焼きした鱧の尾の身と盛り合わせる。自家製カラスミのスライスをのせ、黒コショウを振ったら完成。

▼鱧のチーズ豆腐 カラスミ添えのレシピの詳細はコチラ

鱧の啜り鱠/重ね鱧のザクザク/鱧子酒盗——大阪『㐂川(きがわ)』創業者・上野修三

上野修三作、鱧の啜り鱠/重ね鱧のザクザク/鱧子酒盗撮影:東谷幸一

左の「鱧の啜(すす)り鱠(なます)」は、鱧の身を滑らかなすり身にし、山芋とろろや昆布だしを合わせ、調味してキンと冷やしたもの。残った骨を取り除き、調味前に裏漉しするなど丁寧な仕事が光る一品。蓴菜(ジュンサイ)を浮かべ、ワサビを添えて振り柚子をしたら完成。

真ん中の「重ね鱧のザクザク」は、「鱧の啜り鱠」同様に鱧の身をすり身にし、卵白や浮き粉と合わせ、タレ焼きにした皮に塗り重ねて蒸した一品。昆布入りのたて塩に漬けた毛馬胡瓜(けまきゅうり)を添え、土佐酢もしくは三杯酢をかける。

右は「鱧子酒盗」で、鱧の卵と白子を使った塩辛。スダチを搾ってそのまま、鱧の洗いや冷たい茶碗蒸しに添えても美味しい一品。まずは鱧の卵と白子をしっかりと洗い、塩を合わせて3日ほど冷蔵庫に置く。水に晒して筋を取り、今度は酒に一晩漬ける。最後に塩を加えて味を調え、昆布と共に漬け、毎日混ぜながら冷蔵保存。10日から半月ほどで味が馴染む。

▼鱧の啜り鱠/重ね鱧のザクザク/鱧子酒盗のレシピの詳細はコチラ

フォローして最新情報をチェック!

Instagram Twitter Facebook YouTube

この連載の他の記事特集

無料記事

Free Article

おすすめテーマ

PrevNext

#人気のタグ

Page Top
会員限定記事が読み放題!

月額990円(税込)初回30日間無料。
※決済情報のご登録が必要です