大阪『老松 喜多川』喜多川 達さんに聞く【5問5答】
西天満・老松通り近くの一軒家に店を構える『老松 喜多川』。店主の喜多川 達(とおる)さんは、ジャンルを越えて料理人の仕事に目を向け、食べ歩きからも学びを得ている。一方、若い料理人を育てることには、簡単に答えの出ない難しさも。日々の仕事の中で何を考え、何に悩むのか。喜多川さんの今を聞く5問5答です。
文:船井香緒里 / 撮影:香西ジュン
重宝している調理道具は何ですか?
鬼おろしです。
5年以上使い続けている鬼おろしは、メーカーもわからないほど年季が入っていますが、手にしっくり馴染んでいます。
一般的なおろし金で大根をおろすと水分が出すぎて、大根そのものの存在感が薄れてしまうことがあります。その点、鬼おろしなら食感が残り、大根本来の旨みも感じられる。例えば、造りに添える土佐酢のジュレに鬼おろしを合わせれば、野菜の風味を生かしたソースになります。天だしに添える大根も、水っぽくなりにくく、口直しにちょうどいいんです。
煮炊きものにはブランド大根を使うこともありますが、鬼おろしに使うのは一般的な青首大根。道具の力で、素材の持ち味を引き出しています。

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