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あんかけレシピ10選|和食のプロに学ぶ、だしととろみの工夫

だしの旨みや素材の風味を、とろりと料理にまとわせるあんかけ。昆布だしで食材の持ち味を引き立てたり、すりおろした野菜を加えて香りや食感を重ねたりと、あんの仕立て方で料理の表情が変わります。今回は、日本料理店の料理人に教わった、和風あんかけのレシピ10品をご紹介。里芋やレンコンの揚げ物から、魚の焼き物、冷製の湯葉豆腐、締めのチャーハンまで、だしやとろみの工夫に注目します。

※各料理の詳しいレシピ・動画は、リンク先の会員限定記事でご覧いただけます。

文:WATOBI編集部 / 撮影:竹中稔彦
※2025.11.06配信記事を更新

目次


和風あんかけをおいしく仕立てる、だしととろみの工夫

あんかけの味わいを左右するのが、ベースとなるだしです。今回の10品でも、カツオ昆布だし、昆布だし、野菜や果物の皮などから引く精進だし、魚のアラやスッポンのだしと、料理に合わせて使い分けています。具材の持ち味を引き立てるのか、あん自体にコクをもたせるのか。目指す味わいによって、選ぶだしも変わります。

とろみも一様ではありません。魚の焼き物にしっかり絡ませるあんもあれば、すりおろしたレンコンを加え、ゆるくまとめるあんもあります。葛粉や片栗粉の量を一律に決めるのではなく、合わせる料理や素材の水分、とろみを見ながら調整することが大切です。

また、葛粉を水ではなく昆布だしで溶く、カブは提供直前にすりおろすなど、風味を保つためのひと手間にも、料理人の考えが表れています。


小芋海老あんかけ|白さを生かす、具だくさんのあん——大阪『さか本』

大阪『さか本』の小芋海老あんかけ撮影/福本 旭

色白に炊いた里芋の小芋を唐揚げにし、車エビ、銀杏、百合根、キクラゲなどが入ったあんをかける一品。小芋の白さを生かすため、あんも醤油色を控えて仕上げます。

ベースは、昆布をしっかり利かせたカツオ昆布だしの吸い地。塩主体の味付けに淡口醤油とみりんを少し加え、具材をさっと煮てから吉野葛でとろみをつけます。具材の大きさを切りそろえることで、それぞれの持ち味と食感の違いが際立ちます。

▼小芋海老あんかけの作り方・動画を見る


百合根団子|精進だしのあんで、優しい甘みを引き立てる——京都『瓢亭』

京都『瓢亭』の百合根団子撮影/内藤貞保

蒸して裏漉しした百合根に白玉生地を合わせ、甘辛く煮た焼き穴子を包んだ団子。もっちりした食感と百合根の風味を引き立てるのが、穏やかな味わいの精進あんです。

だしに使うのは、干した根菜や柿の皮・ヘタなど。塩と白醤油で調味し、柿と菊花を加え、だしで溶いた葛でとろみをつけます。穴子を包んだ団子に軽やかなあんを合わせる、味の組み立てが参考になります。

▼百合根団子の材料・作り方を見る


九条ねぎの天ぷら|ネギの青い部分を、鮮やかなあんに——京都『瓢亭』

京都『瓢亭』のネギ天ぷら撮影/内藤貞保

九条ねぎの白い部分は天ぷらに、青い部分はあんに。部位ごとの持ち味を生かし、蒸し穴子と盛り合わせます。

青い部分は引き切りにし、八方だしと蒸し穴子の煮汁で炊いてから急冷。ミキサーで滑らかなペーストにし、再び加熱して葛粉でとろみをつけます。穴子の煮汁をあんにも使うことで、料理全体に一体感が生まれます。海老や穴子の天ぷら、焼いた鴨にも応用できるあんです。

▼九条ねぎの天ぷらの材料・作り方を見る


はすのみぞれあんかけ|すりおろしたレンコンのとろみを生かす——東京『懐石 小室』

東京『懐石 小室』のはすのみぞれあんかけ撮影/海老原俊之

レンコンの海老挟み揚げに、レンコンのみぞれあんを合わせた「はすのみぞれあんかけ」。シャキシャキした第二節は挟み揚げに、繊維質とでんぷんの多い第三節や根元に近い部分はあんに使います。

すりおろしたレンコンは、香りや旨みを含む汁を絞りすぎないことがポイント。調味したカツオ昆布だしに加え、葛粉はとろみを見て調整します。レンコン自体のとろみで足りれば、加えなくてもよいそう。軽くまとまる程度のあんに仕上げます。

▼はすのみぞれあんかけの材料・作り方を見る


芝海老真丈の餅挟み揚げ かぶらあん|銀あんに、おろしたてのカブを加えて——大阪『くらむぽん お酒とそのおともだち』

spe0045撮影/東谷幸一

粒感を残した芝エビの真丈地を薄切り餅で挟み、衣を付けて揚げた一品。餅のむっちり感とエビ真丈の弾力に、優しいかぶらあんが重なります。

カツオ昆布だしを塩・みりん・薄口醤油で調味し、葛粉でとろみをつけた銀あんを用意。提供直前にすりおろしたカブと軸三ツ葉を加え、さっと火を通します。葛粉を溶くのにも昆布だしを使い、あんの味が薄まるのを避ける工夫が光ります。

▼芝海老真丈の餅挟み揚げ かぶらあんの材料・作り方を見る


鰆と椎茸の炭火焼き|昆布あんで、魚ときのこの旨みをつなぐ——京都『おが和』

fea4645b_1撮影/竹中稔彦

炭火で焼いたサワラと原木椎茸に、真昆布だしのあんを合わせます。サワラの持ち味を生かすため、あんにはカツオ節などの魚のだしを使わず、塩のみで淡く調味。葛粉で強めにとろみをつけ、素材によく絡むように仕上げます。

仕上げには、生の原木椎茸を炒り上げて作る自家製パウダーをひと振り。昆布あんがサワラと椎茸の旨みをつなぎ、口の中でゆっくりと味が交わるように設計されています。

▼鰆と椎茸の炭火焼き 昆布あん仕立ての作り方を見る


海老芋コロッケ|スッポンの身とだしを生かしたあんかけ——『料理屋 しん谷』(現在は京都市伏見区で営業)

fea7900b撮影/竹中稔彦

だしで炊いた海老芋にスッポンのほぐし身を混ぜ、コロッケに。スッポンの煮汁は葛粉でとろみをつけ、旨み豊かなあんに使います。

衣にはパン粉ではなく、粗く砕いた薄味のおかきを使用。あんと合わせてもカリッとした食感が持続し、香ばしさが加わります。仕上げは土鍋であんとコロッケを合わせ、ひと煮立ち。熱々のあんと衣の食感を楽しめる仕立てです。

▼海老芋コロッケのスッポンあんかけの作り方を見る


京かぶらの皮餡かけ|皮の甘みと香りを、滑らかなあんに——東京『銀座 矢部』(現在は『花園町 矢部』で営業)

fea0043-5e_4766撮影/公文美和

京かぶらの皮を厚くむいて蒸し、熱いうちに粗目と細目の漉し器で2度裏漉し。二番だしと豆乳を合わせ、皮の甘みと香りを生かしたクリーミーなあんに仕立てます。

葛粉は濃く溶き、余分な水分をなるべく加えず、カブを覆って流れ落ちない、ぽってりしたとろみに。二番だしと薄口醤油、塩で炊いたカブにかけ、葉と茎の炒め煮を添えます。皮から葉まで、京かぶらを味わう一品です。

▼京かぶらの皮餡かけの作り方を見る


冷製煮穴子湯葉豆腐|穴子のアラだしで、冷たいあんに——大阪『山海料理 仁志乃』

osa0053-1b撮影/福本 旭

豆乳と葛で煉った生地に汲み上げ湯葉を加え、煮穴子と6層に重ねて蒸した湯葉豆腐。冷製に仕立て、穴子だしのあんを合わせます。

だしは、焼いた穴子の頭や中骨に、昆布と二番だしのだしがらのカツオ節を合わせて煮出したもの。薄口醤油とみりんで調味し、葛でとろみをつけて冷やします。穴子の切れ端や湯葉の端も料理に生かす、始末のよい仕立てです。

▼冷製煮穴子湯葉豆腐の材料・作り方を見る


カニチャーハンの白子あん|だしに白子を溶き込んだ、コクのあるあん——大阪『美味旬菜 みずどり。』

撮影/東谷幸一

ズワイガニの身とミソを使ったチャーハンに、タラの白子を溶き込んだあんをたっぷりと。カツオ昆布だしの旨みと白子のコクを重ねた、満足感のある締めのご飯物です。

あんを滑らかに仕上げる鍵は、白子をだしに沈め、味噌漉しで溶きほぐすこと。その後、沸騰させないよう加熱しながら葛粉でとろみをつけ、艶が出るまで混ぜます。あんにしっかり味を付ける分、チャーハンは薄味に。スダチベースのポン酢で味の変化も楽しめます。

▼カニチャーハンの白子あんの作り方を見る

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