【レシピ付き】53℃・63℃・130℃で加熱したタコ料理3様
タコをテーマに開催された6月末の大阪料理会。「辻󠄀調理師専門学校」日本料理教員の岡本健二さんは、魚介のたんぱく質変性温度を軸に、3つの温度帯で加熱し、3品を考案しました。半生の火入れを狙った53℃の昆布水煮は歯切れのよさが魅力。弾力の生まれる63℃での加熱は、コンフィで新たな食感を創出。そして、タコの柔らか煮をイメージした一品は、なんと130℃で焼いてから早煮にするという逆転の発想で仕上げました。3種3様の火入れに、ぜひご注目を。
※大阪料理会 公式サイトhttps://osakaryourikai.com/
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岡本健二さん(辻󠄀調理師専門学校・日本料理教員)
1977年、大阪府出身。辻󠄀調理師専門学校を卒業後、日本料理教員として同校に入職。TV「上沼恵美子のおしゃべりクッキング」にレギュラー出演。ドラマ「高校生レストラン」など、メディアに多数協力。2019年開催のG20大阪サミット首脳夕食会の調理も担当。大阪料理会には2023年から参加。
「辻󠄀調理師専門学校」岡本健二さん作 蛸の昆布水煮・蛸の油煮・焼き蛸の早煮
今回のテーマ食材のタコは筋肉質で、茹でると心地よい弾力が感じられるので、タコぶつや酢の物で味わうことが多いですね。逆に、しっかりとした身質を軟化させて煮上げたタコの柔らか煮も定番の一品。今回は、それ以外の料理を提案できたらと思います。
タコは60~65℃でたんぱく質が変性します。そこで、この温度帯と、その少し低め、100℃以上でそれぞれ加熱し、3つの料理を作りました。加熱温度でタコの食感がどう変わるのか? いろいろ試作した結果を発表させていただきます。
上から53℃30分の昆布水煮、63℃40分の油煮、130℃90分の焼き蛸を早煮したもの。
歯切れのよさが生まれる、53℃の昆布水煮
生ダコっぽさを残す目的で、53℃の低温で火入れしたのが昆布水煮です。
0.5%の塩を加えた昆布水に浸して真空し、スチコンのスチームモードで30分加熱しています。10分で芯温が53℃に達したので、この温度で加熱したのは20分となります。
いくつかの温度帯で試したのですが、生っぽさが感じられて、歯切れよく仕上がったのが、53℃でした。この歯触りを楽しんでいただきたかったので、少し厚めに切って、長芋羹の上に盛り付けています。
レア感を残して火入れすると、旨みがしっかり出てこないこともよく分かりました。そこで、とろみのある旨だしゼリーをかけて、絡めながら食べていただくよう工夫しています。
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