特集

大阪『翠 岡﨑』岡﨑直哉さんに聞く【5問5答】

「日本料理 翠(現『翠 大屋』)』で二番手を務めた後、28歳で暖簾分けの形で独立した『翠 岡﨑』の岡﨑直哉さん。「若くして独立させてもらったので、もっともっと学びたいことは多い」と話します。食材の仕入れはもとより、陶芸家や同業者との交流に至るまで、「繋がりの大切さ」を感じさせる5つの回答です。

文:船井香緒里 / 撮影:東谷幸一

目次


食材の仕入れについて大切にしていることは?

四季折々のブランド食材も魅力的ですが、僕が大切にしているのは、ブランドよりも“繋がり”です。
気候変動による季節の変動を、一番感じ取っているのは農業や漁業に携わる方々。ですから僕はできる限り、産地に足を運び、生産者や漁師の話を聞いた上で、食材を扱わせてもらうことが多いです。

なかでも愛媛の漁師・藤本純一さんにはとても影響を受けています。
2023年の11月に、藤本さんの船に乗せてもらう機会をいただきました。何がすごいって、定置網で獲れた魚を、最高の素材へと変える、独自の技です。獲れた魚を、海中の専用生簀に放ち、自然の状態に戻し、その翌日に「神経締め」を施します。氷水の当て方など、細部に渡るまで藤本さんならではの流儀があり、地方配送の魚と、地元で消費する魚とでは、処理方法も変えておられると言います。

この魚、たった今、藤本さんから届いたばかりのヒゲソリ鯛です(スズキ目イサキ科ヒゲダイ属)。市場では見かけることがない珍しい魚で、身質がよく、上品な脂の旨みをしっかり感じます。藤本さんの魚は、届いてすぐに食べても、1週間後に食べてもおいしい。

何かありがたいって、開業間もない僕にも、親身になってくださった藤本さんの心意気です。これからも藤本さんから届く最高の魚を、最高の料理に仕上げられるよう頑張ります。

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