秋田『日本料理 たかむら』髙村宏樹編。Vol.4 全国から秋田にお客を呼べる理由
東京・目白にあった江戸料理の名店『太古八(たこはち)』での修業を終え、28歳という若さで故郷である秋田に『日本料理 たかむら』を開店した髙村宏樹さん。今となっては全国からお客を呼ぶ名店となりましたが、それまでは苦労も多かったと言います。波に乗るまで、どんな打開策を打ったのか、また、同じように秋田で営む店にどのような影響を与えたのか。“世界No,1フーディー”浜田岳文さんとの対談第四回目は、髙村さんの秋田での奮闘について伺います。
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浜田岳文さん(「株式会社アクセス・オール・エリア」代表)
1974年、兵庫県宝塚市生まれ。米国・イェール大学卒業(政治学専攻)。大学在学中、学生寮の不味い食事から逃れるため、ニューヨークを中心に食べ歩きを開始。卒業後、本格的に美食を追求するためフランス・パリに留学。南極から北朝鮮まで、世界約128カ国を踏破。一年の5カ月を海外、3カ月を東京、4カ月を地方で食べ歩く。「OAD Top Restaurants」(世界規模のレストラン投票システム)のレビュアーランキングで2018年度から7年連続で1位を獲得、国内外のメディアで食や旅に関する情報を発信している。2024年、著書「美食の教養 -世界一の美食家が知っていること-」(ダイヤモンド社)を出版。2026年より「The World’s 50 Best Restaurants(世界ベストレストラン50)」及び「Asia’s 50 Best Restaurants(アジアのベストレストラン50)」の日本評議委員長に就任。
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髙村宏樹さん(『日本料理 たかむら』店主)
1971年、秋田県生まれ。「赤堀栄養専門学校(現在は「赤堀製菓専門学校」に校名と学科を変更)」在学中から東京の目白にあった江戸料理とおでんの店『太古八』にて修業を始める。24歳で板長となり、1999年、28歳で秋田に『日本料理 たかむら』開店。地方にありながらも、「The Tabelog Award(食べログアワード)」やフランスのレストランランキングサイト「La.list」、アメリカのレストランランキングサイト「OAD」などで上位に掲載される。2017年には農林水産省「料理マスターズ」でブロンズ賞を受賞。2024年7月に麻布台ヒルズ横の神谷町プレイスにて『たかむら別邸やまじん』を開店。
順調ではなかった開店当初
- 浜田:
- 『太古八』での修業を終え、秋田で独立されたのが27年前の1999年ですね。
当初はアラカルトやコースなど、どのようなスタイルで始められたのですか。
- 髙村:
- 『太古八』と同じで、最初からコース一本。6,000円と8,000円だったかな。
- 浜田:
- 当時の秋田で、その価格帯のお店って…。
- 髙村:
- なかったね。だから大変よ(笑)。
農作業帰りに泥が付いた長靴のまま来る人もいるし、2人で来て「コース1つと取り皿ちょうだい」なんて人もいる。お出ししたら、帰り際に「量が少ねぇな」って言われたりね。
最初は「とんでもない場所で店を出しちまったな」って思ったよ。でも自分で決めたことだから。お客さんを呼べるようになるまで辞めらんねぇ、って覚悟した。
- 浜田:
- 今の時代は数年で状況が変わり、SNSを通じて一気に有名になることもありますが……。当時の地方では持ちこたえられず閉めてしまったり、価格を下げて本来やりたかったことを曲げてしまう方も多かったんじゃないかと思います。
- 髙村:
- 俺も5、6年はしんどかったなぁ。借金まみれで、借りては返しての繰り返し。でも『太古八』のやり方しか知らなかったから、変えようもなくて。
- 浜田:
- 地元の方には高いと思われ、都心の人には知られていない。そんな状況が好転するターニングポイントはあったんですか?

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