大阪『御料理 松むら』松村知典さんに聞く【5問5答】
大阪・蒲生で『御料理 松むら』を営む松村知典さん。日本料理を軸に据えながら、フランスで培った技術や感性を静かに溶け込ませ、独自の一皿を磨き続けてきた料理人です。つくり手の思いが宿る調味料や食材、器との出会い、そして自ら手をかける米づくり。そのすべてに、人と人とのご縁への深い敬意が息づいています。100年後にも残る“本物”を見据える松村さんに、味づくりの原点とこれからを、5つの問いを通して伺いました。
欠かせない調味料は何ですか?
つくり手の思いが宿る調味料たちです。
欠かせないのは、和歌山『堀河屋野村』の「三ツ星醤油」をはじめ、志あるつくり手たちの調味料です。出会いは8年前、食の職人が集う食事会でした。堺の和風香辛料専門『やまつ辻田』の辻田浩之さんや、調味の世界を支えるつくり手の皆さんとご縁をいただき、その場で『堀河屋野村』18代目・野村圭佑さんと出会いました。
野村さんは、代々受け継がれてきた製法を守り、手麹で麹を育て、大豆は薪火で丁寧に炊き上げる。防腐剤にも機械化にも頼らず、約300年にわたり本物の味を守り続けています。「三ツ星醤油」は濃口でありながら驚くほどまろやかで、旨みが深い。それでいて料理の色を必要以上に濃くしないため、煮物やおせちにも欠かせません。野村さんの醤油を受け取った日に、大手メーカーの薄口も濃口もすべて処分しました。
それから、味噌や酢、香辛料、海苔、ゴマ油まで、つくり手の顔が見えるものへと厨房の調味料を見直しました。美味しさはもちろん、ものづくりの背景にある物語や心意気も料理の一部だと感じています。
100年先にも本物として残る味をつくりたい。その思いを共有できる方々の調味料が、私の料理を支えてくれています。
厨房に並ぶのは、料理の味を支える“信頼するつくり手”たちの調味料。中心となるのは『堀河屋野村』の「三ツ星醤油」。ほかにも岐阜『白扇酒造』の熟成本みりん、大阪・堺『やまつ辻田』の極上七味唐がらしや実生柚子果汁「実生柚のす」、京都・宮津『飯尾醸造』の「赤酢プレミアム」、「富士酢プレミアム」、熊本『堀内製油』の「金ごまオイル」、広島『三國屋』の焼寿司海苔など。いずれも作り手の思いと技が詰まったものばかり。味づくりの背景には、食のプロたちの縁が息づいている。
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