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【動画】焼酎ソーダ割りの、おいしい注ぎ方|「ニシタチソーダワリラボ」が、6種の技を公開!

炭酸水を注ぐとシュワシュワと立ち上る気泡、華やかな香り、爽やかな喉越し。夏の季語でもある「焼酎」は、ソーダ割りによって多彩な魅力を引き出せます。県内に38の蔵が点在し、芋、麦、米、そばと個性あふれる焼酎が生まれる、宮崎。この地に今、ソーダ割りで焼酎の新たな可能性を拓こうとする人たちがいます。それが、焼酎の飲み手、売り手、注ぎ手で構成する、チーム「ニシタチソーダワリラボ」。今回は、「ほんの少し注ぎ方を変えるだけで、香りや口当たりは驚くほど変わる」という“ラボメンバー”が編み出した6種の注ぎ方を動画で大公開。「もう一杯!」を誘う、その技をご覧ください。

文:田代くるみ(Qurumu) / 撮影:Double Name / Jun Etoh

目次


日本酒やワインと同じく、焼酎にも“こだわるべき”ポイントがある

feasoda_a原材料はもちろん、香りや風味などバリエーションに富む昨今の焼酎。ラベルを眺めるだけでも楽しい。

誤解を恐れずに言うならば、焼酎とは大衆酒——言わば、“開かれた酒”だ。かしこまって飲むより、誰かと楽しく、日頃の労をねぎらいながら食事と共に盃を進めていく。最近ではワイングラスで提供する店もあるが、押し並べて言えるのは“緊張して飲む酒ではない”ということだ。そして、ソーダ割りにするともなれば、尚のことである。

では、肩肘張らずに飲める酒だからといって、ジャブジャブと雑に扱って良いのかといえば、もちろん答えはNO。日本酒やワインなどと、蔵人が心血注いで造る焼酎との間に、一切の貴賎はない。

「日本酒やワインは温度管理を徹底したり、グラスにこだわったりしますよね。少しの違いで、お酒の良さを引き出したり、逆にネガティブな部分を強調してしまったりします。それは焼酎も同じです。焼酎は基本的に“割って飲む”お酒だからこそ、注ぎ方ひとつで香りや味わいが驚くほど変わる。僕らは、その違いを一杯のソーダ割りで伝えたい。その想いで、日々研究を重ねています」。

そう話すのが、「ニシタチソーダワリラボ」の発起人であり所長の大下マサフミさんだ。元々は生粋のビール党、勤めていたIT企業の新規事業のために東京から宮崎へ移り、焼酎のソーダ割りと出合った。ラボの名称にもなっている宮崎屈指の繁華街・ニシタチでは、居酒屋や、DJが音を奏でるクラブで、老若男女と乾杯し賑やかな夜を過ごす。それまで焼酎に親しんだことはなかったが、炭酸水で割ればスイスイと飲める爽快感を気に入り、気づけばビールよりソーダ割りを注文する割合の方が多くなった。

「ある日、ニシタチの馴染みのバーでのこと。そこはマスターの作るウイスキーの水割りがおいしくて、いつもそればかり飲んでいました。というのも、焼酎のソーダ割りは好きでしたが、ハイボールはあまり得意ではなくて。マスターから『マサ、ちょっと俺のハイボールも飲んでみてよ』と言われて、せっかくならと試してみたんです。すると、それが驚くほどおいしかった。よくよく聞くと、氷にウイスキーを注ぎ、ゆっくり炭酸水を入れて15回ステアするという、マスター流の作り方があったんです」。


注ぎ方次第で、「味が変わる!」と実感した一杯

IT企業への勤務の傍、夜はニシタチのスナックにも立っていた大下さん。自ら客に焼酎のソーダ割りを作り、提供する機会も増えていた。そんな中、初めて“実験”を行ったのが、2022年のこと。転機の一杯となったのが、宮崎県西部の小林市に位置する『すき酒造』の芋焼酎「山猪(やまじし)」のソーダ割りだ。山猪は当時の焼酎には珍しくビンテージの概念を打ち出しており、ラベルには毎年「20XX年(製)」と記される。

「2021年の『山猪』は、何も考えずにざっくりと作ってもおいしかったのですが、2022年製は『あれ?』と思うほど別物で。確かに、その年は酒質が違うと聞いていたんです。『どうしたら、この焼酎の良さを引き出せるんだろう…』と考えていたその時、以前見たバーのマスターの所作を思い出したんです」。

マスターに模倣の許可を取り、「できるだけ、とにかく丁寧に」一杯を作ってみた。氷を入れたグラスに「山猪」を注ぎ、そこにゆっくりと炭酸水を注いで、15回混ぜて馴染ませる。これが、大下さんが初めて編み出した注ぎ方「ブースト」の原型だ。

「香りが華やかになり、ざっくりと作ったものとは似て非なる『山猪』のソーダ割りができました。その時、注ぎ方で焼酎のソーダ割りの世界はもっと広がるはずだ、と確信したんです」。

2023年には、ソーダ割りの研究に専念すべく、「ニシタチソーダワリラボ」を設立。そして大下さんのアイデアをよりブラッシュアップしたのが、ラボメンバーに加わった、宮崎の老舗酒屋『大阪屋』の四代目・坂本健宏さん、そしてニシタチで指折りの人気居酒屋『美酒&肴 和季』の大将・市川和希さんだ。

「2人は言わば、僕にとって焼酎界の『知の巨人』。長年焼酎を扱うことを生業としてきたからこそ、圧倒的な焼酎の知識量と経験がありました。そんな2人に『この焼酎は、こう混ぜるとおいしい』『こうするとイマイチ』と伝えると、『確かにそうだ』と答え合わせをしてくれて、かつ『もっとこうしてみよう』とアイデアを出してくれる。そこにさらに自分も新たな発想を提案してみる。すると、みるみるうちに僕らなりのソーダ割りの“レシピ”が完成していったんです」。

feasoda_bニシタチソーダワリラボの発起人・所長の大下マサフミさん(写真中央)と、酒屋『大阪屋』の四代目・坂本健宏さん(写真右)、『美酒&肴 和季』の大将・市川和希さん(写真左)。同世代の3人が揃うと、そこは運動部の部室のような、学生らしくもある和気藹々とした空気が漂う。ちなみに市川さんは燗酒とお湯割りのプロでもあるのだそう。3人は日々の研究だけでなく、県内外のイベント出展や、飲食店へのソーダ割りレクチャーも行う。


焼酎のポテンシャルを引き出す6種の注ぎ方で「もったいないソーダ割り」を卒業しよう

彼らの考案したソーダ割りのレシピは、大きく分けて6種、細分化すると14種に上る。本稿の後半にベースとなる6種の作り方を詳しく紹介するが、まずは我々が陥りがちな作り方を振り返っておこう。それが、①焼酎を大雑把に注ぐ、②炭酸水を氷に当てて注ぐ、③ガチャガチャとステアする、という一連の流れだ。

「何も考えずに作ると、大抵の場合はこの3ステップになると思います。①によって風味が飛んでしまい、②③を経ると炭酸がすっかり抜けてしまう。これでは焼酎のポテンシャルを引き出しきれず、もったいないソーダ割りになってしまいます」。

では、おいしい焼酎のソーダ割りを作るにはどうすれば良いのか。まず用意してほしいのが、氷をたっぷり入れたグラスと、炭酸水「ウィルキンソン」、ソーダ割りにしたい焼酎に加えて、以下のツールだ。

feasoda_c「ニシタチソーダワリラボ」で使用する基本ツールセット。右上から、グラス(330ml)、スケール(メジャーカップでも可)、ステンレス製のステア棒(ラボでは箸を使用)、ステアとテイスティング用のバースプーン、焼酎やお湯などを注ぐちろり、タンブラー。グラスはややラウンドしているものを使うことで、香りが溜まりやすくなる。

ここから具体的に、「ニシタチソーダワリラボ」が提案する焼酎の魅力を引き出す、基本の6種の注ぎ方を紹介していこう。

焼酎のソーダ割りは、最終的なアルコール度数によって味の感じ方が変わる。「ニシタチソーダワリラボ」では注ぎ方による味わいの変化を体感できるよう、常時5〜6%に着地するように作る。今回は容量330mlのグラスに、氷5個(約120g)と140ml前後の液体の比率で仕上げていく。読者の皆さんは、手持ちのグラスの容量や、目指したいアルコール度数によって柔軟に調整してほしい。
また、基本的に焼酎はちろり、湯や水はタンブラーに入れてからグラスに注ぐ。細く、ゆっくり注ぐことがポイントになるからだ。


「もったいない」注ぎ方と、「レギュラー」の注ぎ方(焼酎:宮崎『明石酒造』の「明月プレミアムホワイト」)

まずは、ついやりがちな「もったいない」注ぎ方と、最もシンプルな「レギュラー」の注ぎ方を紹介。これまでのソーダ割りの注ぎ方を振り返りつつ、まずは基本の注ぎ方から試してみよう。それによって、ソーダ割りにした時に伸ばすべき個性が見えてくる。もちろん、このベーシックスタイルがしっくりくる焼酎もある。
「レギュラー」の注ぎ方に適している「明月プレミアムホワイト」は、アルコール度数20度。焼酎は40ml、ソーダは100ml使う。

<注ぎ方>
☑氷全体に焼酎が当たるよう、細く、ゆっくり注ぐ
☑ソーダは氷に当てず、ゆっくりグラスの縁から注ぐ
☑1回転ステアし、底から軽く氷を持ち上げる

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