【レシピ付き】初ガツオ料理 Vol.1 京都『祇園にし』
エルメスの洋皿に盛り付けた、まるでフランス料理のようなビジュアル。京都・東山安井の『祇園にし』店主の西 隼平(じゅんぺい)さんが考えてくれた初ガツオ料理は、コース料理に必ず組み込んでいるというお得意の揚げ物です。塩麹漬けにして旨みを増幅させた初ガツオに合わせるのは、新ショウガや新玉ネギなどの新もの。こう見えて、味わいはきっちり和食。春らしさ溢れる巧みな重ね技がポイントです。
文:川島美保 / 撮影:東谷幸一
京都・東山安井『祇園にし』西 隼平さん作
初鰹の天ぷら 春の恵み仕立て
さっぱりとした味わいが身上の初ガツオは、戻りガツオに比べるとどうしても脂のりでは負ける。そこで考えたのが、「もっちりとした身質を生かした天ぷら」だ。けれど、そのまま揚げるだけでは、どうも身がパサついてせっかくの香りも食感も落ちる。
「シンプルにするほどカツオのタタキには敵わないので、思い切り技と味を重ねたのが、工夫した点ですね」。
塩麹に漬けてさらにもっちり!
「生のままレアに揚げても美味しくならないので、塩麹に漬けます」。しかも、生のままではなく焼き霜にしてから。「皮ぎしの味も香りもいい部分を味わっていただきたいので」と西さん。
塩麹に漬けることで程よく水分が抜け、味が凝縮して旨みがアップ。同時に身質もさらに締まり、もっちり感が増す。ただし、「漬け込みは長くてひと晩まで。それ以上は臭みが出ます」。
初ガツオの焼霜造り 塩麹漬け。これだけで既に美味しそうだけれど「ようやく土台ができただけですよ」。ここからが本番だ。
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