特集

【レシピ付き】肉料理の逸品 Vol.1 神戸『但』

和食店で肉料理を提供することも珍しくなくなった昨今。今月は、割烹・蕎麦屋・居酒屋の3店舗に、人気の肉料理レシピを公開いただきます。
まずは、新神戸にある割烹『但(たん)』が提案する、「うざく」ならぬ「牛ざく」というユニークな料理。甘辛いタレを絡めた神戸ビーフのリブロースに、キュウリとミョウガの酢の物や、万願寺唐辛子のピュレを組み合わせます。店主・足立純哉さん曰く「重たくなりがちな牛肉を、さっぱりとした“和え物感覚”で味わっていただきたいですね」。コース料理に必ず肉料理を組み込むという足立さんらしい、汎用性まで考え抜いた創意溢れる一品です。

文:船井香緒里 / 撮影:塩崎 聰

神戸・新神戸『但』足立純哉さん作
牛ざく

「ウチのコースには必ず、牛肉を用いた一品を組み込みます」。
足立さんは、神戸の名割烹『玄斎(げんさい)』に加え、肉割烹でも働いた経験を持つ。培った目利きで選ぶのは、全国の名シェフたちを魅了する、兵庫・西脇市『川岸畜産』の神戸ビーフ。

「しつこくない脂と、赤身の濃厚な旨みとのバランスに長けている」と惚れ込み、部位ごとに吟味して使い分ける。例えば、適度にサシが入るラムシンは炭火焼で。肉の味が濃いブリスケ(肩バラ肉)は、締めの牛丼に。今回、披露いただく「牛ざく」は、キレの良い脂ともっちりとした赤身が特徴のリブロースが主役だ。

粗熱を取ることで一体感を生む

まずは濃口醤油・みりん・砂糖からなる合わせダレを作る。そこに橙(ダイダイ)の搾り汁を「柑橘っぽさを感じない程度」加えることで、甘辛いテイストの中に、心なしかキレが生まれるという。
鍋に、タレの材料を入れて煮立たせたら弱火に落とし、リブロースを「軽く泳がせる感覚で」加熱。肉の色が変わったらすぐに取り出し、最低でも5分は常温で置くことが大切だとか。なぜなら、「キュウリやミョウガの酢の物、万願寺唐辛子のピュレと共に味わっていただくので、肉が熱すぎると喧嘩してしまうんです」。温度帯をできるだけ近づけることで、「一体感が生まれます」。

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