特集

【レシピ付き】松茸以外のキノコ料理 Vol.3 東京『麻布 和敬』

茶道の主客相互の心得を屋号に冠する『麻布 和敬』。“時代を超えても色褪せない、現代の日本料理”を志す、店主の竹村竜二さんが繰り出す料理は、明快な理論と美味しい料理を作りたいという熱意に支えられています。今回の「香茸のコロッケ」は、松茸以上といわれる貴重な天然キノコ・香茸の独特の風味を衣の中に閉じ込めた一品。バターや生クリームを使いながらも和の仕立てを大切に、自家製山椒ソースでコクと旨みをプラスする隠し技にも注目です。

文:瀬川 慧 / 撮影:大山裕平

目次


東京・西麻布『麻布 和敬』竹村竜二さん作 
香茸のコロッケ 山椒ソース

「この料理はあくまでも香茸の香りがポイント。衣の中に閉じ込められて、さらなる深い香りが生まれます」と、竹村竜二さん。

ほんのり甘いマッシュポテトに、炒めた香茸と玉ネギをたっぷり加えたコロッケは、箸を入れると強い香気と供に真っ黒な香茸が顔を出す。軽やかな美味しさと、そのビジュアルにも嬉しい驚きがある。

そのままでも美味しいが、牛スジ肉を加えて煮詰めた山椒ソースをつけて食べれば、爽やかな旨みとコクがプラスされ、満足感が押し寄せる。コロッケの香味と相まって心地よい余韻を残す一品だ。

つなぎ役はカルピスバター

「コロッケのタネは前日に作っておいた方が俵型にまとめやすい」と竹村さん。作りたてはどうしてもゆるすぎるし、一晩冷蔵庫で寝かせた方が味も落ち着くそうだ。

タネにも、香茸を炒める時にも使う少量のバターは、この両者のつなぎ役。
「ジャガイモと香茸がまろやかに一体化し、さらにほんのりコクを出したいんです。そうは言っても、あまり濃厚にはしたくないので、軽めで上品なカルピスバターを使います」。
バターが勝ちすぎない、和に寄せて仕立てた加減が見事だ。

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