【レシピ付き】蒸し物 Vol.1大阪『きたはま 雅楽』の桜鯛とかぶらの変わり茶碗蒸し
大阪・北浜にある日本料理『きたはま 雅楽』。店主の池部雅彦さんは還暦を機に独立した今もなお、新たな挑戦に余念がない料理人です。今回は「私自身、大好きな茶碗蒸しに工夫を重ねました」と、定番の茶碗蒸しに、かぶら蒸しのエッセンスを加えて。季節の移ろいを視覚と味覚で楽しむことができる一品が完成しました。
文:船井香緒里 / 撮影:東谷幸一
大阪『きたはま 雅楽』池部雅彦さん作
桜鯛とかぶらの変わり茶碗蒸し
日本料理『なだ万』の料理長や、ホテルの和食部門での統括料理長などを経て、2024年3月に自店を構えた池部さん。「コース料理には、必ずと言っていいほど小さな旬の茶碗蒸しをお出しします」。冬なら、玉締めに三重直送の牡蛎やフグなどを添え、インパクトと季節感を楽しませる。
今回は「冬の名残と春の兆しを表現できたら」と、玉地にすりおろしたカブを加える。さらに、旬を迎える桜鯛をメインに山菜をあしらい、芽吹く野山も演出する。
カブの質感と甘みを生かす
寒い時季のカブはキメが細かく、甘みも強い。風味を損なわない下準備を心掛ける。 すりおろした後は「汁気を絞りすぎると風味や甘みも流れ出てしまいます。かといって、絞りが甘いと蒸した後の生地が緩い状態に」。そこで、手で握って水分がぽたぽた落ちない程度に留める。
玉地と合わせたら、具を盛り、手早く蒸し上げるのもポイント。カブのすりおろしを合わせることで、通常の茶碗蒸しに比べて「す」が立ちにくいという利点もあるという。
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