佐々木 浩流、献立の立て方【後編】
『衹園 楽味』で行われる「試食会」では、佐々木 浩さんが弟子の料理を試食し、お客に出せる料理にブラッシュアップ。そのポイントは「デザイン」「ボリューム感」「売り文句」と言います。【前編】では6品の料理を試食。【後編】でも6品を試食し、次々に改善点を炙り出します。瞬時に最適なアドバイスをし、「オモロさ」を加えるアイデアはお見事!です。
文:阪口 香 / 撮影:内藤貞保
今回、試食会に参加した『衹園 楽味』の料理人。上左/髙橋貴明さん。2015年入店で、煮方を務める。上右/水口直規さん。2016年入店で、焼き場を担当。下左/向板の堀越優希さんは、2022年入店。下中/千谷友哉さん。2021年入店。下右/西村泰知さん。2022年入店。
試食したのは、佐々木さんのほか、左からソムリエの佐々木恭輔(以下:恭輔)さん、取締役の佐々木結花(以下:結花)さん、『衹園さゝ木』仲居の杉本弥生さん。
西村泰知さん作──手羽先ギョウザ
- 西村:
- 手羽先ギョウザです。中には鶏ミンチと軟骨、大葉。さっぱり食べていただけるよう、カリカリ梅も入れてます。
- 杉本:
- …梅の香りはするんですが、謳うならもっと梅感が欲しいかも。
- 恭輔:
- 軟骨の食感ももっとしっかりあった方がいいかな。あと、もうちょい塩味が利いてるとビールが進みそうです。
- 佐々木:
- うん、梅や軟骨はもっと立たせてええかもしれん。でもそれ以前に僕が疑問に思ってることを言うで。
鶏の中になんでわざわざ鶏を射込むんや? ただボリュームを出してるだけや。例えば中国料理で手羽先の中にツバメの巣を入れる料理がある。違うもんを入れるからやる意味あるねん。とは言え、豚や牛は合わへんと思う。鶏の方がうま味成分多いから。何がいいかな。
- 髙橋:
- コラーゲン質があるものの方がいいかもですね。スッポンの身とか。
- 佐々木:
- おお、ええやんか! スッポンの身を炊いたやつ。
- 西村:
- 「手羽先スッポン餃子」美味しそうです。アドバイスありがとうございます!
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