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【レシピ付き】フカヒレの基礎を学ぶ Vol.1戻し方編

「フカヒレは、独立したら絶対に使うと決めていた食材。香ばしいステーキにして提供したいな、と。ですが、肝心の“戻し方”に自信がなくて…」と話すのは、大阪・北新地の『割鮮 入たに』店主・入谷元基(げんき)さん。「北新地という場所柄、お客様に喜んでいただける高級食材。だからこそ扱いは丁寧にしたい。時間はかかるけれどお薦めの戻し方があると小耳に挟んで、この機会に学びたいと思いました」。
今回訪ねるのは、定石にとらわれない取合せや調理法で独自の美味しさを生んでいる大阪・北新地の中国料理店『TOMONO(トモノー)』店主の友納(とものう) 亮さん。まずは基礎中の基礎である、フカヒレの戻し方から学びます。

文:川島美保 / 撮影:東谷幸一 
友納 亮さん(『TOMONO』店主)

1990年福岡生まれ。大阪のホテルなどで腕を磨いた後、市内の人気中国料理店で料理長を務め、2021年2月に独立。実は料理はほぼ独学で、昆布だしも使えば、北京ダックにフォアグラのアイスと旬の果物も合わせる。ジャンルを飛び越えた自由な感性で注目を集め、オープンから1年半ながら連日満席を誇っている。

入谷元基さん(『割鮮 入たに』店主)

1988年大阪生まれ。大阪『なにわ料理 有』の店主・古池秀人さんの下で通算6年和食の基礎を学び、『老松 喜多川』『十六』などで研鑽を積んだ後、2021年10月に独立。カウンター越しのやり取りが醍醐味の浪速割烹の精神を受け継ぎ、一品料理中心のスタイルに。ひと晩寝かせたヒラメの造りや色よく仕上げた豆ご飯など、丁寧な仕事が見える真っ直ぐな料理を主軸にしつつ、和風タンシチューなども作る柔軟性を併せ持つ。

戻し方で、見た目も食感も大違い!

入谷元基(以下:入谷)
そもそも、フカヒレは戻す時間が重要だと教えてくださったのが、友納シェフでしたね。
友納 亮(以下:友納)
単純に戻すだけなら、ひと晩もあれば戻せます。けれど、それでは真の美味しさを引き出せないと僕は思っています。
入谷:
「かける時間で大きさも変わるし、もちろん食感にも大きく影響する。知らないともったいないよ!」って助言をいただいて。それなら、詳しく教えていただこうと(笑)。
友納:
隠すことでもないし、今回はすべて披露しますよ。
心構えのために先にお伝えしますが、僕のやり方は2週間かけます。
入谷:
え? 戻すだけで…ですか? 
本でも調べましたが、一般的には、長くて2~3日ですよね?
友納: 
一般的にはそうですね。
でも、定石にこだわらないのが僕のスタイルなので(笑)。

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