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【レシピ付き】ラーメン屋店主に習う、香味油のテクニック Vol.1香味油5種の作り方編

今秋、蕎麦割烹を開く予定という京都・東山『わしょく 宝来』店主の宝来剣太さん。定番の盛り蕎麦に加えて、個性的な変わり蕎麦も提供したいと構想を練る中で頼りにしたのは、鮮魚や野菜を生かした数々の独創的なラーメンで知られる京都・千本七条『拳(こぶし)ラーメン』店主の山内裕嬉吾(ゆきみち)さんです。味のバリエーションを求めるのならばと、山内さんが薦めてくれたのは「香味油」の活用。4回に分けてお届けするVol.1は、和食に使いやすい5種の香味油の作り方から指南していただきます。

文:川島美保 / 撮影:高見尊裕

目次

山内裕嬉吾さん(『拳ラーメン』店主)

1969年京都生まれ。割烹や寿司などの和食店で約20年修業した後に居酒屋経営を経て、2006年にラーメン店を開業。京都市中央市場からすぐという立地を生かした旬魚主役のラーメンで、瞬く間に人気店へと駆け上がる。無駄を削ぎ落とした羅臼昆布かけそばから、オマール海老の超濃厚スープを作った限定メニューまで、レパートリーは幅広く独創的。

宝来剣太さん(『わしょく 宝来』店主)

1983年京都生まれ。大学卒業後に料理の道に入り、祇園の和食店で10年ほど基礎を学び、2016年に独立。さば昆布巻きやれんこんまんじゅうなど定番の品のほか、牛すじコロッケやコーヒー豆ぷりんなどの洋のものも取り入れた気取らないメニューは常時40品ほど。どれも素材の持ち味を重視した端正な味わいで、界隈の食道楽な大人から強い支持を得ている。

味にインパクトを生む「香味油」

宝来剣太(以下:宝来)
数カ月後に京都市内で蕎麦割烹の新店を開く予定で、その際にちょっと捻(ひね)りの利いた変わり蕎麦をお出ししたいのですが、その方向性を悩み中でして。
麺繋がりで、ユニークなラーメンを次々と生み出している山内さんにヒントを頂戴できないかと思い、伺いました。本日はよろしくお願い致します。
山内裕嬉吾(以下:山内)
僕のラーメンは、ベースの「スープ」、味付けの「タレ」、風味付けの「油」という3つの要素を主体に構築しています。スープは「だし」、タレは「かえし」と考えたら、ここまでは蕎麦と同じ。なので、今回は「油」に焦点を当てることにしました。
宝来:
蕎麦に油……頭になかった発想です!
山内:
比重が軽い油は、自然とスープに浮く。それはつまり、最初に舌に感じやすいということ。僕は油に食材の香りを移した「香味油」を、“ファースト・インパクト”として重要視しているんです。
宝来:
椀物でいう吸い口みたいな存在ですね。
山内:
吸い口より香りは鮮烈だと思います。玉ネギ油やエビ油など、着地したい味に合わせて数えきれない香味油を作ってきましたよ。
今回は蕎麦に合うことを意識した、山椒油・木ノ芽油・柚子油・昆布油・松茸油の5種類を披露します。
宝来:
お気遣いありがとうございます! 
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