【11月】こんな時、英語でなんと言う?
秋も深まる11月。鱧松などの出合いものや実りものが豊富に揃い、食欲を刺激する季節です。日本の食文化を海外の方にも快く楽しんでいただくため、さまざまな疑問を『京料理 たか木』の髙木一雄さんに伺い、それらを英語でどう伝えればよいのか教えていただきます。また、海外の方が聞いて喜ぶ情報などもお教えいただきました。
髙木一雄さん:1972年、大阪生まれ。料理教室を営む母の影響により、料理の道へ。大学在学中に老舗料亭『大和屋』で修業を始め、『京大和』でさらに研鑽。2005年、兵庫・芦屋に『京料理 たか木』をオープンする。バンコクやモルディブの日本料理店の監修や、海外や国内のシェフとのコラボ、商品開発なども積極的に手掛ける。イギリス留学の経験もあり、柔軟で、ワールドワイドな視点の持ち主。
文:奥田眞子
「出合いもの」はどう表現する?
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質問者

- 「鱧松」「鯛かぶら」「ブリ大根」「鴨ネギ」「若竹煮」など、「出合いもの」って英語でどのように表現するのでしょうか?
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髙木

- 「出合いもの」は、旬の食材を組み合わせた料理=「Combination of seasonal ingredients」。もしくは相性の良さを表す「Mariage」とも言えます。
食材の相性という考え方は、ヨーロッパの方には理解してもらいやすいと思います。トリュフとアスパラガスなど定番がありますから。
ただ、日本では海と山の旬を合わせるので、楽しみ方もそれぞれです。
4月の記事で触れましたが、若竹煮や鴨ネギは食感の違いを楽しむ料理。鯛かぶらやブリ大根は、水分量の多い野菜を合わせて魚の出汁を吸わせます。鱧松はというと、鱧は旨みがあるのに脂が少ないので出汁とも相性が良い魚。なので僕は土瓶蒸しで提供して、それぞれの旨みが染み出た出汁を堪能してもらいます。
また、「出合いもの」など古くからある料理は、「定番の料理」=「Classic recipe」とお伝えしてあげるといいですね。
日本には四季があって季節感を大切にしますが、海外の方には今の旬の食材はこれですと説明するより、これは昔から続いている料理なんだと教えてあげると、より喜ばれるイメージです。
<補足>
フランスを中心にヨーロッパは農業が盛んな国が多いので、自然とみんなが食材に季節を感じている印象です。季節感を大切にする日本料理のことも理解してもらいやすいと思います。
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