大阪『片町 川口』川口 洋さんに聞く【5問5答】
大阪城北詰『片町 川口』の店主・川口 洋さんは、定石をなぞるよりも、自分なりの答えを探すことを大切にする料理人です。山野草を生け、自家製の発酵調味料を育て、骨董と現代作家の器を織り交ぜる。その根底にあるのは、和歌山・串本で培った自然への眼差しと、少し天邪鬼な美意識。そんな川口さんに、店づくりや料理への思いを聞きました。
文:船井香緒里 / 撮影:東谷幸一
空間づくりで大切にしていることは何ですか?
山野草を生けることです。
特別に華道を習ったわけではないのですが、僕は和歌山県・串本の出身で、もともと自然のものが好きなんです。だから花も、きっちり整えるというより、自然体で生ける方がしっくりくる。
山野草は、「花室」さんが毎週届けてくださるもの。テッセンや小判草、姫百合など、その時々の季節の草花を僕自身が生けています。お客様から「今日の花は何ですか?」と聞かれることもありますね。
世間的には、ただの草に見えるかもしれません。でも僕にとっては、その自然な姿がいちばん美しい。店内では、お手洗いやバックカウンターなど、2〜3カ所に飾っています。
今日の花器は、大阪の抽象画家・津高和一さんの作品。風合いがあって、山野草ともよく合うんです。 そして何より、花を生ける時間が自分にとって大切です。花を触っていると、「さあ、今日も営業やな」と気持ちが切り替わる。店に立つためのスイッチみたいなものですね。

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