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【レシピ付き】トマトを使った料理 Vol.1 京都『わっぱ堂』

薄桃色をした岩魚(イワナ)の理由は、自家製トマトで作ったトマト麹。京都・大原で野菜を育てながら古民家レストランを営む『わっぱ堂』店主・細江 聡さんが考えたのは、トマトのフレッシュ感と熟成した旨みを川魚に合わせて作る、即席のなれずしです。たった2日漬け込むだけで、チーズのようなニュアンスが生まれます。

文:川島美保 / 撮影:竹中稔彦

目次


京都・大原『わっぱ堂』細江 聡さん作
大原産岩魚のなれずし風 自家製トマト麹漬け

「大原の地素材をとことん生かすのがウチらしさなので」と、店主の細江さん。トマト麹を使ったきっかけは、大原に住む知人が米作りから手掛ける生麹で新メニューを作りたいと考えていたことだと話す。

トマト麹に合わせる主素材は、大原の清冽な水で育った養殖の岩魚。「一切臭みがなく、造りでもいける大原自慢の夏の魚。トマトの旨みともフレッシュ感とも抜群に合うんですよ」。

セミドライトマトで濃密な旨みに

一般的なトマト麹は、生のトマトと米麹、塩を使うが、細江さんは一部セミドライトマトにして合わせる。「生のトマトだけだと、深みが物足りない。水分を飛ばして旨みを凝縮させることで、得も言われぬ深みと独特の熟成感が生まれます」。

トマトは甘み豊かなフルーツトマトと、酸味があるイタリア産品種・シシリアンルージュを同量でブレンド。それぞれ半量を低温で長時間焼き、セミドライトマトに仕立てる。
すべてセミドライにしないのは、旨みを上げつつ、トマトの水分だけで仕込みたいからだ。

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