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【レシピ付き】トマトを使った料理 Vol.2 大阪『佳酒真楽 さかふね』

大阪・大国町にある『佳酒真楽 さかふね』。日本酒専門の酒販店『山中酒の店』の直営店であり、日本酒と酒肴の相性を単品料理でもコースでも楽しませてくれます。料理長の瀬沢博貴さんが夏酒のアテとして提案するのは、トマトを用いた冷製茶碗蒸し。トマトだしをベースにしながら、「咀嚼することでトマトの旨みを感じられるように」と、通常の茶碗蒸しとは異なる技を潜ませています。トマトの皮なども余すところなく用いる始末の料理、必見です。

文:船井香緒里 / 撮影:高見尊裕

目次


大阪『佳酒真楽 さかふね』瀬沢博貴さん作
フルーツトマトの冷製茶碗蒸し トマト出汁ジュレ仕立て

「トマトの素材感を重視して、すっきりと味わえる冷製の一品に仕立てました」と瀬沢さん。

主役は、和歌山県産のフルーツトマト。「糖度が高く、味に凝縮感があって、加熱してもトマトらしい味の輪郭がぼやけないのです」。

そのトマトで引いただしが、味わいの骨子となっている。仕上げにかけるだけでなく、茶碗蒸しに、ジュレにと活用し、トマトの存在感を高める。

夏らしい清涼感ある冷製の一品には、マイクロハーブの他に、「透明感がある玉ネギの薄皮やミニトマトの皮もあしらいに使っています」。捨ててしまいがちな食材の端っこも活用する。その信念は、主役のトマトの仕事にも貫かれている。

“始末の心”で仕立てるトマトだし

トマトだしは、カツオ昆布だしでフルーツトマトを15分ほど煮たもの。カツオ昆布だしのコク深い味わいの中に、トマトの自然な酸味が広がる爽やかな仕上がりだ。

実は、このカツオ昆布だしを引く際、瀬沢さんは湯むきしたトマトの皮やヘタも加えている。「味に直結するかは微妙なところですが、余すところなく食材を用いたいので」。
さらに、15分煮た後のトマトのだしがらも捨てずに茶碗蒸しに用いるのが、“始末の心”を重んじる瀬沢さんらしさだ。

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