特集

京都『徳ハ本也』松本進也さんに聞く【5問5答】

京都『和久傳(わくでん)』にて約20年。うち11年間、料理長を務めて独立した松本進也さんに迫る5問5答。献立の立て方や最近行って衝撃を受けた店、気に入って使っている調味料などをお伺いしました。

文:西村晶子 / 撮影:高見尊裕

目次


大切にしている食材は何ですか?

何より大切にしているのは「水」です。
日本料理は水が命で、特にだしはいい水なくして作れません。以前の記事でもお話ししましたが、京都の水脈をいろいろ調べて試してみた結果、今は三名水の一つである梨木(なしのき)神社の湧き水「染井(そめい)の水」を使っています。

昆布やカツオといった食材は多少違ってもなんとかカバーできますが、水は無理で、水道水やアルカリ水ではいいだしはとれないです。私は料理の究極は味をつけない事だと常々思っていて、塩がいらないと思ったのはこの染井の水だけです。明治期以前でしたら庶民の口に入らない希少な水で、それを当たり前に料理に使わせてもらえるのがまたすごいこと。唯一無二の水だと思います。

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