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【レシピ付き】鮎料理 Vol.2 東京『たでの葉』の鮎ぞうすい

『たでの葉』は、主人・小鶴清史さんの故郷・熊本の川辺川(かわべがわ)の天然鮎を主役に、天然素材をふんだんに盛り込んだおまかせコースを供す店。前菜、刺身、背ごし、うるか、炭火で時間をかけて丁寧に焼く塩焼きなどの後、締めの食事に出されるのが、今回ご紹介する“鮎ぞうすい”です。頭や骨を煮出して作るコクのあるだしに、ほぐし身をたっぷり入れ、風味豊かに。一人1尾の鮎を使った贅沢な仕立てです。

文:瀬川 慧 / 撮影:海老原俊之

目次


東京・南青山『たでの葉』小鶴清史二さん作 
鮎ぞうすい

外苑西通りに面したビルの階段を上って扉を開けると、炉を囲むコの字型のカウンターが目に入る。料理人を志し、最初は中華の道に進んだ主人の小鶴清史さんは、「自分の料理を見つけたい」との決意から、故郷・熊本の川辺川の天然鮎を出す店を開店。「鮎を主役に店を開こうと思ったのは、育った環境が大きいですね。子どもの頃から父と鮎釣りに行っていましたから、家では夕飯も鮎三昧。獲れたての天然鮎の塩焼きや甘露煮がいつも食卓に上っていました」と小鶴さん。

使うのは、体長約30cmもの尺鮎(しゃくあゆ)の宝庫といわれる川辺川で釣れた、小鶴さんが「一番おいしい」という15㎝サイズの立派な天然鮎。これを惜しげもなく雑炊用に一尾使い、取り除いた内臓はうるかに仕立てる。
「夏は暑いため雑炊よりも鮎ご飯にすることも多いですが、香りを楽しむなら雑炊がおすすめです」。

鮎は強火で皮目をバリッと焼く

小鶴さんは、塩焼きと雑炊用に鮎の焼き方を変えている。
「ゆっくり焼き上げる塩焼きとは違い、雑炊用の鮎は強火で皮目をしっかりバリッと焼きます」。
対して、身はふっくらジューシーに。これを大きめに刻んで加えることで、鮎の香りが際立つという。

「せっかく香ばしく焼いた皮を煮込んでしまうと、香りが飛んでしまいますから、身は火を止める直前に入れます。そうすると味がぶわっと出てくるんです」。

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