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【レシピ付き】残暑のお浸しVol.1 大阪『まどあかり』の季節のお浸し

大阪・西天満にある和食店『まどあかり』では、必ず先付に季節のお浸しが登場。店主・石橋 優さんは「まずはだしを飲んでいただき、旬菜で季節を感じてもらえたら」と話します。残暑が厳しいこの時季は、ぬめりのある野菜も使って喉越しよく。ショウガやスダチの風味を生かした清涼感ある後味も魅力です。

文:船井香緒里 / 撮影:東谷幸一

目次


大阪『まどあかり』石橋 優さん作
季節のお浸し

「ウチの店では、単品でもコース料理でも、必ず先付に季節のお浸しをお出ししています。いい一番だしを使っているアピールなんです」と、微笑む石橋さん。

この時季なら、キンキンに冷やしてお客の前へ。トウモロコシやトマト、八尾枝豆…。だしが見えないくらい盛り込まれた夏野菜の彩りに目を奪われ、食欲を誘う。
「残暑の食養生として、モロヘイヤやミニオクラ、オカヒジキなど、ネバネバ野菜も取り入れます」。だしの澄み切った旨みはもとより、ねばり野菜の滋養と、ふわっと香り立つスダチの清涼感が心地よい。

昆布は2種使い、マグロ節で旨みに奥行きを出す 

「一番だしには原価をしっかりとかけています」と石橋さん。

昆布はもともと道南産の真昆布を用いていたが、「料理人仲間が“利尻も旨いよ”と、利尻昆布の水出しを味見させてくれました。キレイな味わいで香りも良かったんです」。

それなら、と石橋さんは2種の昆布それぞれの特性を生かすことに。「昆布の量は半々です。鍋に水をはり、2種の昆布を入れて中火にかけ、60℃を保ちながら6時間、煮出します」。真昆布の上品な甘みとコク、利尻昆布が持つ香りとキレのある味わいをじっくり抽出。

さらに、マグロ節を惜しげもなく加えて十分な旨みを引き出す。「京都のある老舗日本料理屋の、マグロだしが本当に好きで。何しろ味わいの深みが違いますし、香りに奥行きがあるのです。少しでも近づけるように…という思いで毎朝、だしを引いています」と石橋さんは真剣な眼差しをみせる。

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