特集

【レシピ付き】締めの土鍋ご飯 Vol.2 大阪『食堂 たのし』のフレッシュ・ポルチーニと生ハムの土鍋ご飯

大阪・北新地にある『食堂 たのし』。店主・平田善輝さんは「和食を軸に、食堂のような楽しさを」と、和洋中を織り交ぜた70種以上ものアラカルトを用意し、お客を魅了します。「どこにもないご飯ものを食べていただきたい」と、着目したのがイタリア食材。フレッシュ・ポルチーニの芳しさや、生ハムの深い旨みを生かしながらも、だしや調味料の使い方で着地はきちんと和食に。フレッシュ・ポルチーニが手に入らない場合の代案もお教えいただきました。

文:船井香緒里 / 撮影:高見尊裕

目次


大阪『食堂 たのし』平田善輝さん作
フレッシュ・ポルチーニと生ハムの土鍋ご飯

「ほっこりする美味しさと共に、少しの驚きを楽しんでいただきたい」と話す平田さんは、サンマと松茸など、馴染みある組合せではない食材を試行錯誤。
厨房にはイタリアンの名店『アルポルト』で経験を積んだ山口真吾さんの姿もあり、フレッシュなポルチーニを、パスタやリゾットではなく土鍋ご飯に仕立てることを考えた。

昆布だしと乾燥ポルチーニの戻し汁で旨みの骨格を作る

ポルチーニの主なうま味成分は、干し椎茸と同じくグアニル酸。そこで、乾燥ポルチーニの戻し汁に、昆布だしのグルタミン酸を合わせて旨みの相乗効果を狙う。

「試作の際は、昆布だしではなくカツオ昆布の一番だしを合わせていました。すると風味が複雑になりすぎてしまい、香り高いポルチーニの良さが出なかったんです」と平田さん。

そこで、昆布だしに調味料(酒・塩・薄口醤油)を加えたものと、乾燥ポルチーニの戻し汁を6:1の割合で合わせ、和とイタリアンの香りと旨みを融合させた。

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