「祇園さゝ木」一門会、師弟セッション

【レシピ付き】Vol.9 前編 最終回のテーマは「デザート」。2品で楽しませる弟子の意図

人気割烹『祇園さゝ木』店主の佐々木 浩さんと、その薫陶を受けた弟子たちによる、会席の品書きがテーマの師弟セッション。「デザート」がお題の最終回には、気鋭の料理人として名高い、『祇園 にしかわ』西川正芳さんが登場。前編では、西川さんが冷・温と温度差のある2品を披露します。ところが、一皿目の冷果を味わった師匠からズバッと切り込む一言が……。師弟の語り合いから、料理人として大事にすべきポイントが見えてきました。

文:船井香緒里 / 撮影:高見尊裕
佐々木 浩さん(『祇園 さゝ木』店主)

1961年、奈良県生まれ。前衛的な味と軽妙な話術で場を盛り上げるカウンターの名手。1997年の開店以降、その独創性で脚光を浴び、2006年現在の地に移転してからはいよいよカリスマ性を発揮。個性豊かな料理人を育て、「一門会」は人気店主の集まりに。

西川正芳さん(『祇園にしかわ』店主)

1975年、京都市生まれ。高校卒業後、亀岡の旅館『翠泉(すいせん)』で8年経験を積み、『祇園 さゝ木』で3年修業。その後、山科『わらびの里』、『祗園 花霞(閉店)』での料理長を経て2008年に独立。「西川の料理は、一本筋を通しながらも遊び心がある。しかもめっちゃお茶目なキャラクターで、人を惹きつける才能の持ち主」と佐々木さん。

果実で季節感を表現し、作りたての甘味でお客の心を和ませる

佐々木 浩(以下:佐々木)
ついに師弟セッションも最終回の「デザート」や。ほな、西川から始めてもらおうか。

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西川正芳(以下:西川)
おやっさん、お手柔らかにお願いします。
ウチの店では食後に2品、甘いものをご用意します。一皿目は、果物を用いた冷製。続いて、作りたての温かいデザートです。季節らしさはもとより、温度の違いもお楽しみいただけたらと。
佐々木:
最後に温かいデザートというのは、肌寒いこの時期、お客様の心をホッと和ませるにはもってこいやな。
西川:
おっしゃる通りです。
まず一皿目は、食後にさっぱり感を、と考えました。
リンゴと柿にブドウのゼリーをかけ、自家製の紫蘇シャーベットを盛り、スダチの皮を振りました。どうぞ、お召し上がりください。
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