「祇園さゝ木」一門会、師弟セッション

『衹園さゝ木』1月の献立会議【前編】

京都『衹園さゝ木』の大将・佐々木 浩さんと弟子たちでコース料理の内容を練り上げる献立会議。今回お届けするのは、1/9~2/3に提供する夜コースの会議模様です。京都が一番寒くなる1月、心と身体がホッと温まるような仕立ては何か。正月が過ぎた頃、お客はどんな料理を求めているのか。前編では先付、前菜、お椀の3品について意見を出し合います。


『衹園さゝ木』の献立会議:2023年、リニューアルを経てコンセプトを「師弟で挑む味づくり」に。調理スタッフと共にアイデアを出し合い、若い感性と佐々木さんの経験値を掛け合わせ、献立を組み立てる。夜のコースは基本的に、先付、前菜、椀、向付2品、鮨2カン、焼き物、進肴(すすめざかな)、鉢物、ご飯物、デザート。昼のコースは夜のメニューを取り入れつつ、料理6品、ご飯、デザートで構成する。献立会議を経た後、すべての料理を試作し、改めて試食会でサービススタッフや姉妹店『衹園 楽味』のスタッフが試食、最終チェック。料理内容は、その都度、修正・改良が加えられる。

文:阪口 香 / 撮影:高見尊裕

目次

佐々木 浩さん(『衹園 さゝ木』店主)

1961年、奈良県生まれ。前衛的な味と軽妙な話術で場を盛り上げるカウンターの名手。97年に独立し、衹園町北側に『衹園 さゝ木』開店。2006年、現在の地に移転してからはいよいよカリスマ性を発揮。「弟子を育てる店造りを」と再度改装を施し、23年8月、リニューアルオープンを果たす。

_32A4626調理スタッフは右より、煮方を務める坂東春樹さん、田中涼平さん、桑原汰知(たいち)さん、安達康次郎さん、下澤海里(かいり)さん、坂元悠馬さん、橋本來樹さん、松久岳衛(がくえい)さん。


先付

佐々木:
2026年、年始の献立を決めていきましょう!
とは言え、うちは1月9日からの営業やから、あまり正月感は出さなくていいと思ってる。1月15日まで食前にお屠蘇を振る舞いましょう。

では、先付からいくか、前菜からいくか。僕は先付からがいいかな、と思うけどどうやろ。
坂東:
はい、まず先付で色鮮やかなカラスミピュレを使った料理をお出ししたいと思っています。カラスミの皮をむいてスライスし、昆布だしに漬けた後にミキサーにかけて滑らかにしたものです。

主役は揚げた餅で、たっぷりのカブラあんに鬼おろしのカブをのせ、カラスミピュレをかける。彩りと食感に青軸を散らします。
もしくは、焼いたカブラ餅に銀餡と鬼おろしのカブラあんをかけ、上からカラスミピュレを重ねた一品です。
佐々木:
お客さんは正月にさんざん餅を食べてるやろから、「また餅か」ってならへんかが気になるな。僕は餅大好きやからええなって思うねんけど(笑)。
足立:
僕は牡蛎で考えました。
60℃の低温で牡蛎を茹で、3つに切って牡蛎の殻に並べます。蒸したユリネ、ヤマトイモ、三つ葉をのせ、ゴマ豆腐と同じくらいの当たりを付けた白ゴマソースをかけた温かい先付です。

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佐々木:
僕も牡蛎好きやねんけどな……。牡蛎ダメな人って多いやん? 1日に2人、多い時は5人くらいいる時もある。
で、3品目とか4品目に出すんやったら違う料理に変更できるねんけど、先付の場合、対応するのにかなりバタバタする。飲み物も一斉に出さなあかんしな。だから一品目には使わん方がええと思うねん。
田中:
僕はフグ白子を使いたいと思っています。
一口サイズを炭火で焼き、最後に醤油の香りを付ける。シャリをお粥のように炊いたものの上に置き、柚子オイルを垂らします。

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