「祇園さゝ木」一門会、師弟セッション

【レシピ付き】Vol.9 後編 最終回のテーマは「デザート」。師匠はクリスマス気分を皿の上にのせて

人気割烹『祇園さゝ木』店主の佐々木 浩さんと、その薫陶を受けた弟子たちによる、会席の品書きがテーマの師弟セッション。最終回のお題は「デザート」です。前編では、『祇園 にしかわ』西川正芳さんが、冷・温と温度差のある2品を披露。シャーベットを味わった師匠からは、「冬には“あったかい”アイスクリームを出すべき」という驚きの提案がありました。また、作りたての甘味を味わい、その工夫に唸る場面も。
後編では、師匠が12月ならではの一皿を提案。そこには師走の気分をかき立てる、ささやかな演出がありました。

文:船井香緒里 / 撮影:高見尊裕
佐々木 浩さん(『祇園 さゝ木』店主)

1961年、奈良県生まれ。前衛的な味と軽妙な話術で場を盛り上げるカウンターの名手。1997年の開店以降、その独創性で脚光を浴び、2006年現在の地に移転してからはいよいよカリスマ性を発揮。個性豊かな料理人を育て、「一門会」は人気店主の集まりに。

西川正芳さん(『祇園にしかわ』店主)

1975年、京都市生まれ。高校卒業後、亀岡の旅館『翠泉(すいせん)』で8年経験を積み、『祇園 さゝ木』で3年修業。その後、山科『わらびの里』、『祗園 花霞(閉店)』での料理長を経て2008年に独立。「西川の料理は、一本筋を通しながらも遊び心がある。しかもめっちゃお茶目なキャラクターで、人を惹きつける才能の持ち主」と佐々木さん。

和食でクリスマスの装いという遊び心

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佐々木 浩(以下:佐々木)
季節感とほっこり感を楽しませる西川のデザートは、今後の新たなアプローチに繋がりそうで良かったな。
西川正芳(以下:西川)
「アイスクリームの旬は冬」というおやっさんのお言葉は衝撃的でした。フレッシュな果実が品薄になる師走に、早速、活用したいと思います。
佐々木:
ほな今回は『祇園さゝ木』のデザートを食べてもらうで。
いつもと違って、洋風に仕立てる。洋風のデザートを提供するのは、12月だけと決めてるんや。
西川:
もしかして、クリスマスがあるからですか?
佐々木:
そういうことや。テーマは、「小さなクリスマス」。
和食のデザートでクリスマス、というのもトーンが違う気もする。せやけど、この時期は、街中がクリスマスムード一色。心なしか、誰もが浮き立つような気持ちになるやんか。
作り手としては、そこを意識したいなと思う。せやから今月のデザートは遊び心、満載や。
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