佐々木：

8月はまだまだ猛暑が続く。立秋があり、京都では8月16日に五山の送り火があるので秋の気配が漂うけど、料理は「最後の夏」という気持ちで、夏全開の献立を考えて欲しい。

全員：

はい！

『衹園 楽味』の料理人。上左／髙橋貴明さん。2015年入店で、煮方を務める。上右／水口直規さん。2016年入店で、焼き場を担当。下左／向板の堀越優希さんは、2022年入店。下右／千谷友哉さん。2021年入店。

試食したのは佐々木さんのほか、左／『衹園さゝ木』女将の佐々木太津子（以下：太津子）さん、中／取締役の佐々木結花（以下：結花）さん、右／ソムリエの佐々木恭輔（以下：恭輔）さん。

堀越優希さん作──先付 焼きナスとキスの一夜干し だしジュレ

堀越：

先付は、ナスとキスを重ねた一皿です。
ナスの皮が焼けた香り、一夜干しのキスの身の旨みや唐揚げの骨の食感をお楽しみください。

焼きナスの上に地漬けにしたモロヘイヤ、すりつぶして塩水に浸けた枝豆を重ね、一夜干しにしたキスの身、キスの骨の唐揚げ、ミョウガの酢漬けを添えた。天には振り柚子。カツオ昆布だし・薄口醤油・米酢を合わせたジュレをかけて。

結花：

ナスがぬるいのが気になりますね。もうちょっと冷たい方がいいかな。

太津子：

魚は温かい、という感じ。

佐々木：

2人の言う通り。これな、温度が中途半端。こんなけ外が暑いねんから、生ぬるい料理は気持ち悪いねん。
ナスはピシッと冷やして、キスはアツアツにして出さなアカン。冷たいもんは冷たく、熱いもんは熱く、や！

でも味は美味い！ 温度だけ注意しよう。

堀越：

はい！
ありがとうございます。