プロ×プロ料理塾

【レシピ付き】仔羊肉と日本料理 Vol.2 煮込み編

仔羊料理の2品目は、ラムラックを使った煮込み料理です。
「マリネ(漬け込み)はすでにご存じかもしれませんが、僕はそこにいつもマッサージを加えるんです」と、鎌倉のイタリア料理店『オルトレヴィーノ』の古澤一記シェフ。イタリアの煮込みを教わるのは初めてという割烹・蕎麦『波と風』の柴山 風さんは、マッサージと聞いて興味津々の様子です。さぁ、いったい何が始まるのでしょうか。

文:渡辺紀子 / 撮影:喜多剛士 / 構成:伊東由美子
古澤一記さん(『オルトレヴィーノ』オーナーシェフ)

1973年神奈川県生まれ。国内で計7年の修業の後、2000年に渡伊。トスカーナ、サルデーニャなど4州で料理人として7年間働き、うち2年はシェフを務める。三つ星レストラン『エノテカ・ピンキオーリ』フィレンツェ本店で1年ソムリエを務め、その後、ワイナリーで栽培・醸造を行う。2010年に帰国、鎌倉・長谷に『オルトレヴィーノ』オープン。イタリアソムリエ協会(AIS)認定ソムリエプロフェッショニスタなどの資格を有する。

柴山 風(ふう)さん(『波と風』店主)

1982年神奈川県生まれ。東京『銀座 矢部』などで修業を積み、2014年、鎌倉・長谷に『波と風』をオープン。コースの締めに出される石臼挽きの手打ち蕎麦も『矢部』仕込み。妻で女将の波瑠奈さんは、銀座『モンドバー』で名バーテンダーとして名を馳せた、元P.B.O.全国カクテルコンペティションの覇者。夫・風さんの料理にぴったりと寄り添うカクテルをペアリングしてくれる。

仔羊をマッサージしながらマリネする

柴山 風(以下:柴山)
二品目は仔羊の煮込みでしたね。僕は魚の煮物はよく作るのですが、肉は焼くばかりで…。
古澤一記(以下:古澤)
仔羊は前回と同じラムラックを、今度は塊で使います。煮込みには、普通、肩やモモを使うので、ラムラックではあまりやりません。ちょっと贅沢ですが、繊細さが求められる日本料理にはちょうどいいと思います。
今日は、香味野菜と白ワイン、赤ワインビネガーで煮込む「カチャトーラ」をご紹介します。
柴山:
未知の世界だなー(笑)。楽しみです。

pro0013-2 a

ステップ1:マッサージで肉の繊維をほぐす

古澤:
肉を柔らかくするために、イタリアではあらかじめワインやハーブでマリネすることが多いのですが、僕が長く修業をしていたお店では、マリネの際に丁寧にマッサージをしていました。
柴山:
マッサージですか。肉を柔らかくするという意味でしょうか?
古澤:
イタリアではどのシェフもやる手法というわけではないのですが、マリネの発展形というか、肉の繊維をほどよくほぐすことで、柔らかくなるし、ジューシーにもなる。味が肉の中に入っていきやすいので旨みがのるんです。では、塊を半分に切ってボウルに入れ、マッサージを施します。
この記事は会員限定記事です。

月額990円(税込)で限定記事が読み放題。
今なら初回30日間無料。

残り:4417文字/全文:5132文字
会員登録して全文を読む ログインして全文を読む

フォローして最新情報をチェック!

Instagram Twitter Facebook YouTube

この連載の他の記事プロ×プロ料理塾

無料記事

Free Article

おすすめテーマ

PrevNext

#人気のタグ

Page Top
会員限定記事が読み放題!

月額990円(税込)初回30日間無料。
※決済情報のご登録が必要です