和食を科学する料・理・理・科

“洗い”の意外な効果とは?

氷水や流水などで魚介の造り身を洗う。ひんやりとした口当たりと、身を適度に締めることで生まれる食感、さっぱりとした食味で、夏向けのお造りの手法として知られる「洗い」。水質汚染や自然破壊などで海の環境が一気に悪化し、「魚が石油臭い」といわれた昭和の高度成長期には、造りで出す魚介の匂いを取るため、さかんにこの仕事が行われたそうです。今は、海の環境が保たれ、新鮮な状態で魚介が手に入る時代。大阪『懐食清水』店主・清水俊宏さんは、涼の演出だけでない「洗いの可能性を探りたい」と言います。そもそも洗いのメカニズムとは? どんな効果を狙うべきか? 食感と食味に注目し、農学博士・川崎寛也先生と検証します。

文:中本由美子 / 撮影:香西ジュン
清水俊宏さん(大阪『懐食清水』店主)

1970年、大阪生まれ。大学卒業後、調理師専門学校へ。心斎橋『鶴林』(閉店)、有馬の料理旅館『中の坊 瑞苑』で修業し、1998年、大阪・島之内にて独立。2015年、新地に移転。日本料理の芯をぶらさず、柔軟な発想で軽やかに仕立てるモダンな料理に定評がある。実家は大阪・朝潮橋で魚屋を営む。

川崎寛也さん(農学博士)

1975年、兵庫県生まれ。京都大学大学院農学研究科にて伏木亨教授に師事し、「おいしさの科学」を研究。「味の素㈱」食品研究所上席研究員であり、「日本料理アカデミー」理事。「関西食文化研究会」での基調講演でも活躍している。専門は、調理科学、食品科学など。

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