開業から四半世紀以上。長らく愛され続ける老舗には、「毎年、この時季に必ず食べたい」と常連のお客様に親しまれてきた名物があります。独創的な一品だったり、定番料理であっても、昔ながらの仕事が光る他にない味わいの一品だったり。また、一軒の老舗に四季折々の名物があることも少なくありません。そんな老舗の味ものがたりを、名物料理のレシピと共にご紹介する本連載。文藝春秋で『東京いい店うまい店』の編集長を長く務め、多数のメディアに食の記事を執筆する柏原光太郎さんが、老舗の仕事、もてなしの心を描きます。