仕込みで差がつく! スピード酒肴レシピ

【レシピ付き】大阪『お料理 雨ニモマケズ』のサンマとキノコの山椒オイル煮

今年はサンマが豊漁です。大阪・西天満の『お料理 雨ニモマケズ』店主の中田孝太郎さんは、脂のたっぷりのった豊満な身を山椒風味の米油でじっくり煮て、ワタでまろやかなソースを仕立てます。名脇役は、シャクシャクッとした食感と力強い旨みのキノコ。素材感を生かしながら保存性を高めた、2種のオイル煮の盛合せです。

文:中本由美子 / 撮影:福本 旭

目次


西天満の細い路地に佇む古民家は、しっぽりと盃を傾けるのにお誂え向きの雰囲気だ。料理はコースのみ。『山中酒の店』の5つの直営店で店長を務めた中田孝太郎さんが営む酒亭は、6年目を迎えた。

日本酒好きの客が多いのは必然で、中田さんは料理を仕立てながら、客の好みに合わせて日本酒を選び、適温の燗をつける。一人で何役もこなすのだから、作り置きの工夫は不可欠だ。

「今年はサンマの当たり年。盆明けから脂ののった立派なのが出回りだしたので、11尾入りくらいの箱買いをして。オイル煮にすると大量に仕込めるし、1週間は保存できるんですよ」。


中骨まで柔らかいサンマのオイル煮

「サンマはお造りや塩焼きでもお出ししますが、オイル煮にすると身はしっとり火が入って、中骨まで食べていただける。ワタでソースを作れるのもメリットです」。

米油を使う理由は、「食材の風味を邪魔しないから」。筒切りにしたサンマを実山椒と共に、100℃で2時間加熱。実山椒は噛めばサクッと揚げたような食感で、ほどよい刺激があって、一皿のアクセントとなる。

一般的にはサンマに塩をしてからオイル煮にするが、中田さんは提供直前に塩を振るという。「オイル煮は煮物と違って、調味料の浸透が予測しにくいんです。塩辛くなったら戻せないし。最後に振った方がバチッと味が決まると思います」。なるほど理に適っている。

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