日本料理のことば

【レシピ付き】松風焼き2種

なかなか料理の主役になることは少ない「松風焼き」ですが、「食べて思わず『おいしい!』と感じる一品にしたい」と、「辻󠄀調理師専門学校」の竹本正勝先生が、2種類の「松風」レシピを教えてくださりました。一つは、鶏の肝煮を加えた、お酒にもよく合う「鶏松風」。もう一つは、見た目にも華やかで、風味と食感に豊かさのある「海老松風」です。切り方を工夫すれば、食感や食べ応えにも変化が生まれます。来年のおせちに、ぜひ加えてみてください。

聞き書き:阪口 香 / 料理制作:「辻󠄀調理師専門学校」竹本正勝 / 撮影:東谷幸一 / 協力:辻󠄀調理師専門学校

目次


食感や風味豊かな「松風」2種

松風焼きは、保存することを前提に調理されていることが多いため、味が濃かったり、食感が硬かったりすることもあります。それではもったいないな、と思うので、今回は“食べておいしい”ことに重きを置いた2品をご紹介します。

一つは鶏ひき肉をベースにし、焼き上がりにケシの実をかけたオーソドックスな「鶏松風」。鶏ひき肉は半量を酒煎りにすることで水っぽくなるのを防いだり、醤油などの調味料や卵の素などは控えめにしたり。また、しっとり煮上げた鶏肝を加え、酒肴としてもイケる乙な味わいです。

もう一つは「海老松風」で、海老の真薯生地にたくさんの具材を合わせ、食感や風味が豊かに感じられるものです。粗く刻んだ海老や、シャキシャキ食感が映えるレンコン。芳しい香りの柚子皮に、表面には豪華に煎りウニをたっぷりと散らしました。

「辻󠄀調」には伝統的な松風のレシピがありまして、それは「鶏松風」の生地に干しブドウを加えたもの。しかも、サッと熱湯に通した後、赤ワインに2~3時間漬けた干しブドウです。少し洋風な、洒落た味わいの松風ができますよ。ほか、ナッツ類を加えてもおいしいですね。

「松風焼き」の言葉のはなしはコチラ

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