【レシピ付き】霜月の締めもの Vol.1 京都『杢兵衛(もくべえ)』
自家製のイクラ塩漬けが贅沢に盛られた、華のあるビジュアル。京都・祇園『杢兵衛』4代目の寺田慎太郎さんが今回考案した締めの新作は、10年以上前からの隠れ名物「焼きおにぎりのだし茶漬け」の秋味バージョンです。こう見えて、味の要はグジ。そこにカブ菜漬けを合わせ、原木ナメコとカキノキダケのキノコだしをかけた、要素満載の複雑な構成。料理名からはちょっと想像つかない美味しいギャップもポイントです。
京都・祇園『杢兵衛』寺田慎太郎さん作
グジ焼きおにぎりのだし茶漬け
シンプルに見えて手の込んだ料理を得意とする寺田慎太郎さんにしては珍しく、見るからに要素が多い構成。理由は「締めの花形と言えば一客ごとに炊き上げる季節の色ご飯ですが、段取りを考えると全コース一律でお出しする訳にはいかない。そこで、仕込みがしやすくて見映えも良いものをと考えたのが、この焼きおにぎりのだし茶漬けです」と寺田さん。実は10年以上前から出している締めの一つ。華やかかつ手が込んでいるように見えて、店で最も安い1万円コースでのみ出す料理だそうだ。
グジを隠れた主役に
今回おにぎりの主役食材に選んだのは、造りや椀種にと重宝したグジの残った“頭”。「骨周りが旨み濃厚で美味しいけれど、カブト焼きでは焼きガニと同じで身をほぐすのに気が取られて“会話が止まる”。会食メインのウチ向きではないので、手間をかける必要があるんです」。お客様が喜ぶ最良の形で使い切る考えだ。
「よく焼いて余分な脂を落とし、香りを上げてからご飯に混ぜ込むと抜群です!」。寺田さん曰く、「グジの頭の一番美味しく“スマートな”食べ方」だそう。
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