特集

【レシピ付き】雛祭りの一品 Vol.1 大阪『照屋』

「ウチの春定番の椀物を、桃の節句に相応しい先付として再構築した一品です」。素材の持ち味を真っ直ぐ生かした繊細な味わいの料理を得意とする、大阪・谷町九丁目の『照屋(てるや)』店主の照屋克規(かつのり)さんが今回特別に考えてくれたのは、ハマグリと春野菜を取り合わせた、日本酒を誘う先付。菱餅をイメージした器使いと色合わせにも注目です。

文:川島美保 / 撮影:東谷幸一

大阪・谷町九丁目『照屋』照屋克規さん作 
ハマグリと春野菜の先付 ハマグリあん

雛祭りの料理といえば、ハマグリのお吸い物とちらし寿司がお約束。『照屋』でも例年3月は、ハマグリと春野菜の椀物を出している。それを先付にアレンジした理由は、「最初の一品としてお出しすることで、季節感をより印象付けられる。魅力的なつかみになると思いまして」と照屋さん。

器から料理を構築

先付を選んだ理由はもう一つ、とある器の存在だ。「菱餅を意識した、3月しか使わない樂焼の菱形向付があるんです。通常はお造りを盛っていますが、サイズ的に先付に使うのもインパクトがあっていいなと閃きまして」。
『建仁寺 祇園丸山』や『飯田』など、歳時の表現に重きをおき、器使いにも定評のある京都の名店で感性を磨いた照屋さんらしい発想だ。深い緑色の樂焼は、春に萌える草木の表現。菱餅の一番下の層となる。

さらに「菜の花の緑に、ウルイとハマグリの白、半干しのバチコの紅。3月の椀物に使っているこれらの食材は偶然にも菱餅カラー。順に積んで、さりげなく菱餅に見立てます」。

この記事は会員限定記事です。

月額990円(税込)で限定記事が読み放題。
今なら初回30日間無料。

残り:1188文字/全文:1818文字
会員登録して全文を読む ログインして全文を読む

フォローして最新情報をチェック!

Instagram Twitter Facebook YouTube

この連載の他の記事特集

無料記事

Free Article

おすすめテーマ

PrevNext

#人気のタグ

Page Top
会員限定記事が読み放題!

月額990円(税込)初回30日間無料。
※決済情報のご登録が必要です