【レシピ付き】寄せ物 Vol.1 東京『日本料理 たかはし』
流し缶(流し箱)に、寒天やゼラチンなどの凝固剤を合わせた材料を入れ、冷やし固めて作る「寄せ物」。涼感ある見た目や、つるんとした喉越しなど、夏にこそ楽しみたい料理の一つです。今回は東京・京都・大阪の3軒3様の寄せ物をご披露いただきます。
一軒目は、東京の下町・森下にある『日本料理 たかはし』。カウンター10席の店内には、美味しいものを提供したいという主人・髙橋正司さんの気概に満ちています。東京の名店を経て、長く海外で磨いた腕を自由闊達にふるい、和食の基本を大切にしつつも、新感覚のアプローチでお客を楽しませます。「夏の翡翠ゼリー」は、リッチに旬のご馳走を寄せた一品。美しく仕立てるその技をご紹介します。
東京・森下『日本料理 たかはし』髙橋正司さん作
夏の翡翠ゼリー
「見た目にも美しく涼やかですから、蒸し暑い夏には旬の素材で仕立てるゼリー寄せをお出しします」と高橋さん。コースの幕開けのワクワクした華やぎを大切に、具材には旨みがある毛ガニや車エビ、食感のいい新レンコン、オクラ、ワカメといった甲殻類や夏野菜を彩りよく散りばめる。
具材の存在感引き立つ、リッチな仕立て
「具材の存在感を際立たせるため、ゼリー地は、カツオ昆布だしに薄口醤油・酒・みりんで気持ち薄めに調味し、彩りと共に味や食感のコントラストなどに配慮しています」。
車エビはさっとボイルして、食べごたえがある1㎝幅にカット。新レンコンは透明になるまで茹でてから角切りに。オクラは色よく塩茹でし、小口切りに。ワカメは戻して食べやすいように細かく刻む。具材それぞれの食感が際立つように、ゼリーは硬めに仕立てる。
流し缶は、始めから好みのサイズに仕切れるものを使用。具材をたっぷり入れても断面が美しく仕上がる上、均等に材料を配置することができる。日によっては、小さく仕切って固め、グラスで付き出しとして供することもあるそうだ。
仕上げには、たっぷりの生ウニをのせて贅を演出。後口をさっぱりさせたい場合は、くし形に切ったスダチを添える。「その場でお客さま自身に搾っていただくほうが、より清涼感が演出できるように思います」。
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