【レシピ付き】東京・神楽坂『日本料理 一凛』の「松館しぼり大根」を使った3品
今年の7月、東京・神楽坂に移転した『日本料理 一凛(いちりん)』。店主の橋本幹造さんは、営業再開までの準備期間中、「日本の食研究所」を仲間と立ち上げました。全国各地の気になる食材を見つけては取り寄せ、試していく中で出合ったのが、秋田の鹿角(かづの)市で作られる松館(まつだて)しぼり大根です。地元では搾り汁をいただくもので、加熱調理はしないというこの大根を、橋本さんはあえて炊いてみることにしました。料理屋だからこそできる、手間暇をかけた3品をご紹介します。
後から追いかけてくる、キレのある辛み
松館しぼり大根の産地ルポはコチラ。「先端がすっと尖ったもののほうが辛さをより強く感じた」と橋本さん。
松館しぼり大根を、橋本さんは「聖護院大根も足元におよばないゴリゴリの大根」と称する。「昔の野菜が持っていた」ちょっとやそっとでは動じない力強さを感じるのだと言う。
橋本さんが松館しぼり大根と出合ったのは、JAが運営する産直取り寄せサイト「JAタウン」。辛味大根は各地にあるし、そのいくつかは食べたこともあったが、松館しぼり大根は初めて目にする名前だった。
一緒に「日本の食研究所」を立ち上げた秋田出身のスタッフに聞いてみると、地元ではよく知られた大根だという。取り寄せてみたところ、身質はみっちりと詰まって硬く、時間をかけて炊かないと柔らかくならない手強い大根だった。
大根おろしで食べたときも、辛味の現れ方が他の辛味大根とは違っていた。
「時間を少しおいてから、辛味がやってくるので、合わせる食材の味を最初から辛味で覆い隠さない。たとえば刺身と一緒に食べても、魚の風味を感じた後、キレの部分で辛味が追いかけてくる」。
11月のコースでは、おろした松館しぼり大根に刻んだ柚子を混ぜて、深めの器にたっぷり盛り、ブリの刺身をのせた一品が登場した。冷たい「ぶり大根」だ。橋本さんは「醤油をつけずに、おろしと一緒に召し上がってみてください」とすすめてくれた。
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