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【レシピ付き】一工夫あるアジ料理Vol.2 東京『香下』のアジわい尽くし 冷や汁風

『香下』の主人・香下尭之(こうした たかゆき)さんは、茶懐石の名店『懐石 小室』の小室光博さんに12年余り薫陶を受け、今年3月末に独立を果たしました。おまかせのコースの前半は、『小室』譲りのお造りやお椀でしっとりと楽しませ、後半は「春キャベツとセロリと羊の鍋」など、意表を突く料理も登場。今回の「アジわい尽くし 冷や汁風」も、そんな硬軟取り混ぜる流れから生まれたオリジナル料理。普段はめったに仕入れないという青魚のアジを“尽くし”にした冷や汁に。澄んだ味わいに驚かされます。

文:瀬川 慧 / 撮影:大山裕平

目次


東京・市ヶ谷『香下』香下尭之さん作
アジわい尽くし 冷や汁風

「アジを丸ごと味わい尽くす冷や汁風の一品です。薬味たっぷりのなめろう、香ばしい唐揚げ、オクラのツルッとした食感、甘酢漬けのミョウガの酸味。するすると喉を通り、味噌味で最後まで食べ飽きません」と香下さん。

今回使用したアジは愛媛県産。鮮度の良さはもちろん、厚みと張りがあるアジを選ぶことで仕上がりの美味しさが格段に増すという。「味がいいから、アジなんです(笑)」。冷や汁には付きもののゴマは加えず、アジそのものを味わう仕立てに徹している。

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だしもアジからとり、2種の味噌で調味

新鮮なアジのアラや骨からはいいだしが出る。霜降りにして氷水に取り、残った血合いやウロコを取り除いたら昆布、酒、水と共に火にかけて煮る。
加える味噌は信州味噌と八丁味噌の2種。信州味噌で味のベースにふくらみを出し、八丁味噌で生臭みを取ってキレをもたらし複雑味や立体感を増す。アジの旨みが2種類の味噌と溶け合い、後口もすっきり。初夏にうってつけの一品となる。

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