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【レシピ付き】柚子がメインの料理 Vol.1 京都『むろまち加地』

「当店の名物、ポテトサラダに柚子を合わせてみました」と語るのは、京都『むろまち加地』店主の加地貴志さん。味の決め手は、マッシュポテトの中に混ぜ込んだ漆黒のキューブ。実はこれこそが、独特の“柚子感”を演出する食材。上等居酒屋として人気を博する店主ならではの気取らない発想で、アテになるユニークな柚子料理を提案していただきました。

文:川島美保 / 撮影:竹中稔彦

京都・烏丸五条『むろまち加地』加地貴志さん作 
柚餅子(ゆべし)のポテトサラダ

「柚子を脇役ではなく主役にした料理を…と考えた時、真っ先に思い浮かんだのが柚餅子(ゆべし)でした。和菓子ではなく、珍味の方なのでお間違えなく」と加地さん。

加地さんが使う柚餅子とは、里山の伝統的な保存食。製法は様々だが、簡単に言うと柚子釜の中に砂糖やみりんで調味した味噌を詰めて蒸した後に、数週間干したもの。ねっちりとした食感と、熟成した味噌独特の香り、まろやかな塩気に重なる柚子の酸味が特徴的で、通な酒の肴として知られている。

酒を呼ぶポテトサラダに

では、その柚餅子をどう使うか。「薄切りして天ぷらにするだけでも充分美味しいのですが、せっかくなのでウチらしく遊ぼうかと」と、選んだのはポテトサラダ。

カニ味噌のほか、鯛の酒盗と飛び子、ホヤとコノワタなど、酒の珍味を用いた“酒を呼ぶ”大人のポテトサラダは、『むろまち加地』の名物として知られている逸品。「柚餅子も珍味なので、間違いなくポテトサラダに合うと思いまして」。

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