特集

【レシピ付き】ハマグリ料理 Vol.3 神戸『貝料理 貝まる』

神戸・住吉駅すぐにある貝料理専門店『貝まる』。黒板メニューには15種にも及ぶ貝類の名がズラリと揃います。今回は千葉・九十九里浜産の天然・大ハマグリが主役。料理長の新井精剛(しょうご)さん曰く、「名残と走りの食材を組み合わせた、和食らしい仕事を」と思い至ったのが、ハマグリと春野菜からなるかぶら蒸し。ぷっくりとした身の質感と、だしの旨みが際立ち、素材をミルフィーユ状に仕立てるという、視覚と味覚に響く一皿です。

文:船井香緒里 / 撮影:ハリー中西

神戸『貝料理 貝まる』新井精剛さん作
蛤と春野菜のかぶら蒸し ミルフィーユ仕立て

「貝は鮮度が命。産地により水温が違いますから、生簀(いけす)を分けて水温管理しています」とは、神戸や北新地の割烹でキャリアを積んだ料理長の新井精剛さん。

黒板メニューには、道産の生黒ホッキ貝をはじめ、南は奄美の夜光貝まで、15種にも及ぶ貝類の名がズラリと揃う。

今回使うハマグリは、15℃前後の水温で活かした、殻込みで140gのビッグサイズ。持ち味がしっかりしているので、だしをとり、その後、具としても使うという。さらに、「見た目の華やかさはもとより、何を食べているのかしっかりと分かる構成に」と、セルクルを使い、ハマグリと春野菜、カブを6層のミルフィーユ状に仕立てる。

ハマグリを具にも、だしにも

ハマグリは、一番だしで下茹でをし、仕上げは蒸し器に入れて…と、2度の加熱を施す。「火を入れすぎると身が縮んで食感が悪くなるため、しっとりと水分を含んだ、艶やかな状態を逆算した加熱を心がけています」。

まずは、ハマグリを一番だしで炊き、ごく軽く火を入れる。と同時に、だしにハマグリの旨みを移す。

羅臼昆布とカツオ節の一番だしを煮立たせ、ハマグリを入れたら鍋肌がフツフツとする中火の状態を保つ。殻が半分ほど開いたなら瞬時に取り出すという。「ハマグリの旨みは力強い。ですから、半開きくらいでも十分、一番だしにその味わいが滲み出ます」。

ハマグリのエキスが滲み出ただしは、塩、薄口醤油、みりんを加え、水溶き葛粉でとろみをつけ、ワサビを溶き入れて銀あんとする。

この記事は会員限定記事です。

月額990円(税込)で限定記事が読み放題。
今なら初回30日間無料。

残り:1526文字/全文:2403文字
会員登録して全文を読む ログインして全文を読む

フォローして最新情報をチェック!

Instagram Twitter Facebook YouTube

この連載の他の記事特集

無料記事

Free Article

おすすめテーマ

PrevNext

#人気のタグ

Page Top
会員限定記事が読み放題!

月額990円(税込)初回30日間無料。
※決済情報のご登録が必要です