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【レシピ付き】端午(たんご)の節句の一品 Vol.1 大阪『幽玄』の蓬の飯蒸し

端午の節句のもてなしには、子どもの健やかな成長や家族の繁栄を願う食材が欠かせません。大阪・上本町にある日本料理『幽玄』店主の三船桂佑さんは、強い香りで邪気を祓うとされる「ヨモギ」を飯蒸しに。息子をもつ親としての想いも込めた一品をご紹介します。

文:船井香緒里 / 撮影:東谷幸一

目次


大阪『幽玄』三船桂佑さん作 蓬の飯蒸し 鰻かば焼 筍酒粕漬焼

大阪の名料亭『味𠮷兆』で培った美学を継承する三船さん。もてなしの礎にあるのは「日本の歳時を料理に映す」という師匠・中谷隆亮氏の教えだ。
日頃はコース料理の最大の見せ場「八寸」でその心を映すが、今回は特別に端午の節句にちなんだ一品を考案いただいた。

主役に据えたのはヨモギ。新緑の頃に葉をいっぱい茂らせ、香り高く、邪気を祓う植物とされる。「ヨモギ餅からヒントを得て、飯蒸しにします」。蒸したもち米に合わせることで、ヨモギの香りをより一層際立たせる。さらに、「息子を持つ親としては、健康にすくすくと育ってくれることが何よりも大事」という願いを込めて筍、「人生が順調に進むように」と親しまれる鰻を合わせる。

ヨモギは滑らかなペースト状に

一番のポイントはヨモギの下処理にある。「ミキサーを使ってペースト状にします。すり鉢は使いません。なぜなら、ヨモギは繊維が多いため、すりこぎだとどうしても舌に残るのです」。
ペーストが硬い場合は水を少量加えて調整し、蒸したもち米に合わせる。「分量は、もち米に対して半量が目安。仕上げに鰻の蒲焼と筍の酒粕漬けを合わせるので、ヨモギの香りをしっかり利かせるのが大切です」。

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