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【レシピ付き】夏の冷やし鉢 Vol.3 東京『日本料理 若林』

南青山にある居心地のいい隠れ家『日本料理 若林』は、ミシュラン三つ星で名を馳せた『青山えさき(現在は山梨の八ヶ岳に移転)』で、副料理長として腕をふるってきた若林浩次さんの店です。確かな素材選びや技に加えて評判なのが、若林さん手打ちの上品な十割蕎麦。今回は旬魚と夏野菜の冷やし鉢に添え、二段階で楽しめる一品に仕上げました。

文:瀬川 慧 / 撮影:公文美和

目次


東京・南青山『日本料理 若林』若林浩次さん作
アズキハタの洗いと野菜の冷やし鉢

若林さんは自他共に認める、食材オタク。新しい野菜にも目を光らせて、これはと思えば巧みに料理に取り入れる。
確かな素材選びに加えて、添加物を使わず、野菜を多用した優しい味は長年培ったもの。旬の魚介を盛り込んだ目にも美しいサラダ仕立てや、修業先『青山えさき』のスペシャリテの流れを汲む鮎のすり流し、一本釣りのきんきの煮付けなどが味わえるコースでお客を楽しませる。

名物の蕎麦は、締めだけでなく、凌ぎとしてコース半ばで登場することも。「今回はサラダ仕立てにした夏のお造りと野菜の冷し鉢に添えました。お造りを食べた後、蕎麦をいただきつつ、野菜を食べるもよし、胡麻だれに野菜を入れて蕎麦とのハーモニーを楽しむのもよし。添えているセルバチコやアマランサスも薬味として一緒に食べていただければ」と若林さん。

爽やかな冷やし鉢と細切りの蕎麦を、軽やかな土佐酢とまろやかな胡麻だれが心地よくまとめあげる。

具材はあらかじめ土佐酢に浸す

白身魚のアズキハタ(関西などではキジハタ、アコウとも)は氷水にくぐらせて洗いに。帆立貝柱は焼き霜にしてから、どちらも土佐酢に浸して下味を付ける。「旨みがあり、ほんのり甘いアズキハタをさっと洗いにすることで、味が馴染みやすくなります」。

魚介だけでなく、食感のいいカボッコリーやカリフラワー、ラリーノホワイト、オクラなどの野菜もさっと茹でてから土佐酢に浸すことで、仕上がりの味に一体感が生まれる。

「ラリーノホワイトはミニキュウリの一種です。果皮が柔らかくてみずみずしく、歯切れがいい。特有のえぐみもありませんから、冷やし鉢にぴったりなんです」。

風味豊かな野菜と相まって口中に涼風が吹き抜ける。

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